判決は出ている: 欧州の自然法は目的にかなっている

ワシミミズク
写真提供: © BelgianChocolate/Flickr

最初の結論は主要な欧州自然法制の欧州委員会による見直しから出されています。それは自然法は費用よりもはるかに多い利益を提供するというものです。

委員会のために国際的な専門家が行った研究の‘フィットネス・チェック’、すなわち野鳥および生息地指令の見直しプロセスの最初の結論が公開されました。

 ‘自然指令’として知られているこれらの法律が、EU大統領のユンカーや副大統領のティンマーマンが進める‘より良い規制’の一環として再検討され、統合・弱体化される恐れがありました。

しかし、技術専門家のパネルにより集められた評価研究はこれら指令を統合する理由は何もなく、他のEUの政策や法律とも合致しているというものでした。

それに加えて同評価研究はこれらの法律にかかる費用に比較して得られる利益は巨大であると説明しています。この法律が責任を持つナチュラ2000の保護区ネットワークは年間推定58億ユーロの費用が掛かりますが、年間2,000~3,000億ユーロの生態系サービスを生み出し、さらに500~850億ユーロを地方経済にもたらすと推定されました。両指令は持続可能な開発に貢献し、生物多様性の維持と経済発展の両立を可能にするのです。

バードライフ・ヨーロッパの上級政策部長のAriel Brunnerは「‘フィットネス・チェック’による証拠は非常に明白です。‘野鳥および生息地指令’は目的にあっており、‘統合したり現代化する’必要などありません。」と言いました。

「また集められた証拠から何処に真の問題があるのかということも明らかになっています。不十分で不公平な法執行、資金不足、CAP(共通農業政策)のような道理に反する政策の影響などです。」

また、証拠からは両指令を‘統合し現代化する’必要性は見いだせない一方、法執行の強化がどのように行われなければならないか、また、依然として生物多様性の喪失を進めているEUの政策にどのように取り組むべきかを検討する必要が有ることが見えてきます。

今日の発表は‘フィットネス・チェック’のプロセスが正に重要な局面を迎える一週間前に行われたものです。自然保護活動家、政治家およびEUの機関の代表がEU環境コミッショナーのKarmenu Vellaにより11月20日にブリュッセルで主催される会議に集まる予定です。

 

報告者: Finlay Duncan

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