失われたサンクリストバルオグロバンの探索

東マキラ森林-サンクリストバルオグロバンの生息地か?

最後に記録されたのは1963年ですが、最近もハンターからの報告がある見つけにくいサンクリストバルバンは、残存する個体数は小さいものの、絶滅したとは考えにくい種です。

本種の新たな探索がクリティカル・エコシステム・パートナーショップの支援を受けたバードライフのMark O’Brienとソロモン諸島コミュニティ保護パートナーシップの共同で行われました。ソロモン諸島の東マキラの森林で8月に行われた10日間にわたる今回の調査ではサンクリストバルオグロバンは発見できませんでした。けれども二つの有望な示唆がありました。

地元のハンターとの面会で、3年以内に東マキラでサンクリストバルバンのような鳴き声の鳥が発見され、殺されたとの有望な証拠と詳細な説明が得られたのです。二つ目は大雑把であまり詳しくはありませんが2011年にサンクリストバルバンが見られたという話が探索チームに伝えられました。これらの情報は、今世紀になってから3件あった東マキラでの報告例(今回と同じように手付かずの人里離れた地域)に加わることになります。

この野外活動期間中、3ヶ所の離れた場所にキャンプが設営されました。3番目のキャンプは質の良い原生林に設置されました。生憎このキャンプが設置されている間は天候が悪く、観察が困難でした。それでも自動カメラがセットされていたので、何が撮影されているかチェックするのを楽しみにしています。

調査チームは、現在も数を減らしており世界的に絶滅が危惧されているキアシアオバト(絶滅危惧Ⅱ類)の巣と卵を見つけました。本種は、普通には見られない種に分類されているマキラを除き、その生息地(ソロモン諸島とビスマルク列島の地域限定種)のどこでも希少種です。この巣は探索に参加したボランティアのReuben Takoが見つけました。不思議なことに、この他の唯一の巣は2001年に彼の父親が見つけたものです。巣は2つとも地上にありました。キアシアオバトがこの地域で継続的に生息していることはマキラ森林には地上性の捕食者の密度が高くないことを示しているのでしょう。これはサンクリストバルバンなどの飛べない地上性の種がこの地に生存し続けていることを予言しているのかもしれません。

Reubenはカメラを回収し、別の原生林に再設置しました。これらの森に行き、カメラをセットするのはそれだけで大変な仕事です。このカメラの設置活動をあと3,4ヶ所で繰り返したいと考えています。そしてサンクリストバルオグロバンだけでなく、生息していると思われるけれどもこの地方でまだ記録のないソロモンネズミ属の探索を続けたいと考えています。更に、森林内に生息していると思われるクマネズミ、ネコ、ブタなどの地上性の外来捕食動物の数を記した目録の作成も考えています。私たちは今年後半の野外調査場所を定めるためにカメラ画像から得られる知見を利用する予定です。

 

報告者: Mark O’Brien

本文はこちら

  1. TOP
  2. 世界のニュース
  3. 失われたサンクリストバルオグロバンの探索