鳥とエネルギーのための持続可能な未来
間断なく増え続ける世界的なエネルギー需要に伴い、既存の再生可能エネルギー・テクノロジーの拡大と新規開発は低炭素社会を実現する未来に向かう上で鍵となるものです。けれども、エネルギーは生物多様性を完全に、特に渡り鳥を考慮しない限り持続可能でも自然に優しいものでもありません。‘エネルギー: 鳥に優しいものにしよう!’をテーマに、2015年度‘世界渡り鳥の日’は渡り鳥とその生息地への影響を阻止し、最小限にし緩和するやり方でエネルギー技術を展開することの重要性を強調することを目指しています。
「従来型の燃料への依存を終わらせるなら再生可能エネルギーの開発と展開が必須であることは殆ど疑いの余地はありません。バードライフ・パートナーシップは鳥と自然への悪影響を阻止するために再生可能なインフラの適切な計画、評価、モニタリングが確実に行われることにコミットしています。」とバードライフのCEOパトリシア・ズリータは言いました。
気候変動は人の社会だけでなく自然への最大の危険の一つで、しばしば環境の細分化など既にある圧力に、更なる悪影響を及ぼす‘雪だるま効果’を起こします。エネルギー需要を抑え、エネルギー効率を高めると共に、再生可能なエネルギー源を開発することが化石燃料の量と温室効果ガスの発生を減らすために不可欠です。
全ての開発済みの新技術、風力発電、ソーラーパネル、潮の満ち引き、波による発電および水力発電は野生生物、特に渡り鳥にとって、正しい場所に設置されなければ明らかな欠点があります。
風力発電は鳥とコウモリに対して風車と周辺の電線などの設備により重大な影響を及ぼします。世界で2番目に重要なフライウェイであるリフト渓谷/紅海フライウェイでは渡り性帆翔鳥が不適切な場所に設置された風車への衝突により死や怪我につながる危険にあります。また、風力発電の開発は地形を細分化し、生息地を消滅させ、鳥に生息地を移動させる原因となるバリア効果をもたらす可能性があります。
今後の数十年にアフリカの開発途上国で巨大な電力需要が生じます。これには再生可能電力の能力と送電網の拡大が伴い、もしその設計と場所が正しくなければアフリカ大陸の鳥に今以上の壊滅的な損害が起きることが避けられません。
バードライフとその‘渡り性帆翔鳥プロジェクト(MSB)’は鳥と生物多様性に対する再生可能エネルギーによる悪影響を減らすためのツールと一連の推奨事項を開発しました。風力エネルギーと送電線に関する適切なMSBガイド資料はサイトの選定から生息地喪失のアセスメントに至る、プロジェクトの全ライフサイクルのための情報を提供し、センシティビティマッピング・ツールは開発業者が鳥へのリスクを評価するための情報を可視化することができます。
これらのツールは鳥や自然にあらゆる違いをもたらし、エネルギーへの持続可能な未来を確実にするでしょう。
(報告者: マーチン・フォーリー)
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