2014年度‘フライウェイの守護者’競争がグルジアでの渡り性猛禽類保護のための鷹匠動員に一役かった

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写真提供:Guille Mayor

2014年4月1日、SPNI(イスラエル自然保護協会: イスラエルのバードライフ・パートナー)がグルジアのSABUKO(グルジア自然保護協会)に良いニュースをもたらしました。SABUKOが2014年4月1~2日にイスラエルのエイラートで開催された‘フライウェイの守護者’競争で集められた3万米ドルの初めての受賞者になったのです。これはエープリルフールの悪ふざけではありません。

‘フライウェイの守護者’競争は2014年から始まった年に一度の行事で、2回目の今年は3月25日に行われますが、その目的は欧州での鳥の密猟に取り組むための資金を集めることです。スポンサーや参加者から集められた資金は密猟対策に取り組むバードライフ・パートナーに提供されますが、去年はSABUKOが運よく受賞したものです。

SABUKOはこの資金をバトゥミ・ボトルネック(注: 地形上、瓶の口のように狭くなった部分を多くの渡り鳥が利用する場所)での渡り性猛禽類の保護活動に割り当てることに決定しました。グルジア南西部に位置するバトゥミは渡り鳥にとって極めて重要なエリアです。毎年100万羽以上、35種もの渡り性猛禽類が通過するこのエリアはユーラシア大陸で最大の渡り性猛禽類の秋のボトルネックです。悲しいことに、およそ1万羽の猛禽類が図らずも容易な標的になって毎年秋に密猟の犠牲になっているのです。

この状況を承知しているSABUKOはこの新しい収入を非常に特別な方法で使うことにしました。彼らは現地で鷹匠と地元のハンターとの間で有意義な協力関係を始めることを決めました。協力者たちは‘自然保護の大使’としてここで活動をするのです。すでに何人かの‘大使’は猛禽に足輪を付け、放鳥するための訓練を受けており、そのための装備やプロの指導者がSABUKOから提供されています。鷹匠は捕獲可能な種の識別、鳥の年齢や性別の見分け方、鳥をうまく扱う方法などをすでに学んでいます。幸いにも彼らは協力的で熱心な生徒であることが分かりました。

このプロジェクトの2番目の特徴は、エリア内の村落での意識向上運動を企画したことと、学生や一般人に対して渡り性猛禽類の重要性と彼らの脆弱性に取り組む活動に参加させたことです。

SABUKOとすべてのバードライフ・コミュニティは鷹匠と地元のハンターの協力と彼らが鳥に対する態度を変えることを賞賛しました。私たちは彼らが長期にわたりこのプロジェクトに関わってくれればバトゥミ・ボトルネックを通過する際の密猟による鳥の死を減らせるものと期待しています。

(報告者:エロディー・カンタロブ)

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