太平洋にサンクチュアリを造ろう

太平洋の島々は不注意や不自然な形で人により持ち込まれた外来種に占領され、これが自然や人に壊滅的な問題を起こしています。このような脅威から安全に隔離された小さな島々で進化した在来種は、雛や自分たちの食物を食べてしまい、地元の人たちにも大きな問題を起こすネズミなどの捕食動物に対する防御手段を持っていません。その結果81種もの鳥が現在絶滅の危機にあります。

これらの外来種を駆除することは最優先の課題です。バードライフでは太平洋地域で鳥と生物多様性にとって最も重要な島々を特定しました。既に5つの太平洋国家の34の島からネズミや他の致命的外来種を駆除することにより、12種(そのうちの9種は鳥類)の世界的絶滅危惧種と他の多くの種に対して安全な生息地を提供しています。クック諸島、フィジー、フランス領ポリネシア、ニューカレドニアおよびパラオで一つずつこれらの島の外来種からの安全を確保し、そこに生息するユニークな種に長期に亘る将来を提供し、忍び寄る絶滅への流れを逆転させています。

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状況はフランス領ポリネシアで特に切迫しており、多くの固有鳥類が今すぐにも絶滅する危険があります。これらの隔絶し、分散している列島には非常に多くの固有種が生息し、その多くが世界的な絶滅危惧種です。その主たる原因が外来種なのです。

仏領ポリネシアの南東部には二つの重要な島のグループ、ツアモツ諸島とガンビエ諸島があり、これら二つの諸島は外来種の影響が激しく、復元活動が急がれています。

これら二つの諸島には鳥と他の生物多様性にとって国際的に重要な8つの島があります。これらの島は仏領ポリネシアで最も海鳥の多様性に富み、特に絶滅が危惧される海鳥のグループであるウミツバメとミズナギドリを含むここで繁殖する27種の在来種のうちの22種が生息しています。絶滅危惧ⅠB類のノドジロウミツバメとムナオビシロハラミズナギドリは島で繁殖する9種のうちの2種で、この他にも島は絶滅危惧Ⅱ類のハリモモチュウシャクの越冬地でもあります。島は又2種の世界的に絶滅が危惧される陸鳥、固有種で絶滅危惧ⅠA類のポリネシアアルキバトと最後に残った熱帯性シギの絶滅危惧ⅠB類のツアモツシギの最後の砦です。

Fiji Monuriki & Monu Islands (Stuart Chape)_0

8つの島のうち外来動物が居ないのは2つだけで、他の6島すべてにこれらの鳥を絶滅させたか減少させているネズミ、野良猫、ヤギ、ウサギ(ヤギとウサギは固有種の食物を奪う)などが生息しています。これらの動物の根絶は仏領ポリネシアでは先例のない数の鳥を保護する絶好の機会となります。5種の外来種すべてを根絶する準備は3年をかけて注意深く計画されており、地域コミュニティとの相談によりこれを実施するのは2015年に開始されます。私たちの専門家チームはタヒチから1,500キロ離れたこれらの島々へヘリコプターを始め数10トンもの機材を送る予定です。

2015年の初めに計画されている外来害獣の駆除により、9種の世界的絶滅危惧鳥類と他の野生生物の個体群再建更にそれ以上のことが可能になるでしょう。

(報告者:マーチン・フォーリー)

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