生態系サービスの評価:便利な新ツールキットが専門家でなくても重要な自然サイトの価値評価をする助けとなる
生態系は食糧生産、綺麗な水、土壌浸食の抑制、気候の調整など広範囲の便益を私たちに与えてくれます。このような生態系サービスの減少あるいは喪失は経済、社会及び環境に重大な影響を及ぼします。けれども、このようなデータの入手方法は往々にして高価過ぎたり実務上の技術的要求が高過ぎます。
これに応えるべく、専門家のグループが‘生態系サービスのサイトにおける評価のためのツールキット(TESSA)’を開発しました。これは入手しやすく、使いやすく、インタラクティブなツールキットで、専門家でなくても主要な生態系サービス供給の合理的な推定値を引き出すことが出来ます。
このツールキットTESSAがコスタリカで開催されている第7回生態系サービス・パートナーシップ年次会議に合わせて今日インターネット上で発表されました。
TESSAは専門外の人がサイトを測定し評価するのに必要なツールを提供し、これまでに5大陸24のサイトで適用されました。この方法は幅広いユーザーに利用可能ですが、これまでのほとんどのユーザーは自然資源管理者(例: 森林、漁業、水利管理者)、土地利用プランナー、開発団体(例: 貧困緩和の目的)、民間部門などを含む自然保護活動家でした。
「TESSAをもっと利用し、オンラインでもオフラインでも利用できるようにすることにより、より多くの人たちがサイトの生態系サービスの価値と、それが土地利用方法の決定が異なるとどのように変わるかを評価できるようになればと期待しています。」とバードライフの生態系サービス担当でTESSAのコーディネーターのジェニー・メリマンは言いました。
TESSAはサイトが現在提供している生態系サービスの価値を測定するガイダンスと方法を示し、異なるサイトの管理方法を決めた時の類似の生態系サービスを比較し、別なサイト管理方法を決定した時の影響を評価することが出来るのです。
「この情報は地域レベルでの政策決定に情報を伝える上で重要で、規模を拡大すれば、私たちの活動による社会や環境への影響に関する情報を提供することが出来ます。」とケンブリッジ大学の地理学部のIris Möller博士は言いました。
(報告者:ジェニー・メリマン)
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