アフリカとヨーロッパのハゲワシが我々の生涯のうちにも絶滅する可能性があると自然保護活動家たちが警告

ハゲワシ類はヨーロッパとアフリカの全域で新たな大規模な脅威に直面している
写真提供:Joachim S. Müller

世界最大の自然保護パートナーシップのバードライフ・インターナショナルがハゲワシ類は急速に地球上で最も絶滅が危惧される鳥の科になって来ていると発表しました。この重要な科の鳥がヨーロッパとアフリカで絶滅するのを防ぐために、本日私たちは一般の方々に‘今ハゲワシの中毒死を止めよう’を支援するよう依頼する世界的なキャンペーンを始めました。

死骸が累々と残された最近のアジアにおけるハゲワシの壊滅的減少に続いて、ヨーロッパとアフリカでももし私たちが今行動しなければ同じことが起きるだろうとバードライフの保護活動家が警告しています。

ハゲワシ類は私たちの健康にとって重要な鳥です。「ハゲワシは他の鳥がやらない基本的な役割を果たします: 彼らは私たちの環境を綺麗にするのです。」とバードライフの欧州・中央アジア担当の保護部門のヘッドIván Ramírezは言いました。

それにもかかわらず、彼らはヨーロッパとアフリカ全土で新たな大規模な脅威に直面しています。

ハゲワシに対して致死的な毒性を持つ獣医薬が少なくともヨーロッパの2か国で販売されていることが分かりました。家畜の炎症を治療するためのこの同じ薬(ジクロフェナク)はインド・パキスタン・ネパールで99%ものハゲワシを死滅させたのです。

同じときに、アフリカのハゲワシは毒薬(意図的と偶発の両方)、伝統的な治療法として使われるハゲワシの体の一部の採取、生息地喪失、高圧線への衝突、その他の増加する脅威にさらされています。

「旧世界のハゲワシの4種に1種がIUCNの絶滅危惧種のリストで既に世界的な危惧種か準絶滅危惧種に指定されています。」とバードライフ・アフリカの種のプログラム・マネージャーのKariuki Ndangangaは言いました。「脅威が特定され、速やかかつ効果的にこれに取り組まなければ、アフリカとヨーロッパのハゲワシは私たちの生涯の間にも絶滅する可能性があります。」

アジアにおけるハゲワシは衝撃的に急速に減少しました。ドードーを含め、他のどの野鳥よりも速かったのです。生態学的な時間スケールから見れば殆ど一晩とも言える僅か10年間で、ベンガルハゲワシなどの種はインドだけでジクロフェナクの薬害の結果99.9%が減りました。「かつて千羽のハゲワシが空を舞っていた場所で、今では平均1羽が大虐殺から免れて生き残っているだけです。」とRamírezは付言しました。

アジアにおける悲劇的な経験と、安全で安価な代替薬があるにもかかわらず、心配なことに、獣医薬用のジクロフェナクがスペインとイタリアで市販されていることがバードライフにより確認されています。これら2国はヨーロッパのハゲワシの生息拠点なのです。

ジクロフェナクの差し迫った脅威と共に、アフリカでは解明されるべき他の複合的脅威が幾つもあり、その取り組みには投資が必要です。西アフリカでは僅か30年の間に平均して95%のハゲワシが減少しました。またアフリカ全土では11種のハゲワシ類のうちの7種が世界的絶滅危惧種に指定され、その中には2011年に絶滅危惧ⅠB類に格上げされた種も含まれます。

その結果、バードライフでは‘今ハゲワシの中毒死を止めよう’保護キャンペーンへの支援を求めています: www.justgiving.com/stop-vulture-poisoning-now

世界に100以上の独立した団体によるパートナーシップを有するバードライフにはハゲワシを救う力と能力がありますが、これらの最も美しく大切な鳥への脅威を明らかにし、これに対処するために緊急に2万英ポンドが必要です。

「私たちはヨーロッパでやらなければならないことを知っています: 獣医用ジクロフェナクの禁止です。」とバードライフの‘絶滅阻止プログラム’マネージャーのJim Lawrenceは言いました。「私たちはアフリカでやらなければならないことも分かっています: 変化の速い脅威の見直しを急いで行うことにより、私たちは優先順位を持って緊急に行動できるのです。」

(報告者:ニック・アスキュー)

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