地方裁判所がセレンゲティの道路建設にストップをかけた

ナトロン湖の野生生物: セレンゲティは印象的な野生生物の群で有名な場所です。
写真提供:Ken Mwathe

東アフリカ裁判所は世界的に有名な北タンザニアのセレンゲティ国立公園内を通る道路の建設を中止させました。同裁判所の第1法廷が6月20日にLoliondo-Kleins Gate/Tabora BからMugumu/Nattaまでの間に建設が提案されている舗装道路は環境に重大な影響をもたらす可能性があるとの裁定を下しました。

同裁判所は、世界遺産サイトでIBA(重要生息環境)でもある同国立公園を通る道路の建設は、同地方の法律や国際条約に違反する違法なものであると言いました。例えば、裁判官はこの道路建設が‘この場所が持つ素晴らしい普遍的価値に取り返しのつかないダメージを与える恐れがある’と表明した世界遺産委員会の懸念にも言及しました。

タンザニア政府に対するこの訴訟は2010年12月に動物福祉アフリカ・ネットワーク(ANAW)により申し立てられたものです。

「今回の判決はタンザニアの自然保護活動にとっての偉大な勝利で、今後の開発行為は旧態依然としたやり方では進められないという強いメッセージを送るものです。」とバードライフ・インターナショナルのタンザニア・プロジェクト事務所のプログラフ・ヘッドのFesto Semaniniは言いました。「この永久的禁止命令は脅威が益々迫っているタンザニアの自然を守ることの重要性を強く訴えるものです。」

RSPB(英国のパートナー)のパートナー開発上級オフィサーのクリス・マギン博士は、裁判所の決定は国際条約を順守する必要性を示すものであると言いました。「RSPBは声を大にしてこの決定を称賛し、タンザニア政府に対して世界の生態学上の宝石とも言えるセレンゲティの生態学上、ツーリズム上の価値を強化することを優先するよう後押しをします。」

タンザニア政府は以前多くの開発パートナーから南部に代替ルートを作ることを支援するオファーを受けていました。「まだこれらのオファーが無くなったわけではありません。政府はセレンゲティを迂回する代替ハイウェイ建設のオファーに応じるべきです。」とバードライフ・アフリカの地域事務所の政策・助言コーディネーターのKen Mwatheは言いました。「政府は同時に北タンザニアで起きている他の懸念事項、特にナトロン湖でのソーダ灰採掘計画にも取り組まねばなりません。」

バードライフ・インターナショナルのアフリカ地区ディレクターJulius Arinaitwe博士は持続可能な開発を導く上での地域条約や協定が重要であると言いました。「東アフリカコミュニティと自然資源に関する協定がセレンゲティに関する今回の判決に到達する上で重要な約割りを果たしました。国境に限定された考え方ではなく、アフリカ全土で主要な生態系をどのように管理するかということを伝え続けなければなりません。」

報告者:Ken Mwathe

 

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