セビリアのセーカーハヤブサが懸命な保護活動にもかかわらず減少している

セーカーハヤブサ
写真提供:Dimitrije Radišić/BPSSS

ハトのブリーダー、農民、密猟者そして強風: 希少なハヤブサへの多くの脅威

14恐らくは17ペア、これがセビリアに残っている希少で美しいセーカーハヤブサの全数です。2007年には推定55ペアだった個体数が、セビリア鳥類保護研究協会(BPSSS: セビリアのバードライフ・パートナー)が集めたデータによればこのように劇的に減少しました。

他の中央、東ヨーロッパ諸国と同様、セーカーハヤブサは高圧電流の送電線鉄塔に営巣する傾向があり、セビリアではその多くが農耕地として開発された開けた土地で、人も多く居住しているパンノニア地域に集中しています。セーカーハヤブサは鉄塔にあるワタリガラスやハシボソガラスの巣を乗っ取ることが多く、このことは彼らを多くの脅威に対して弱くしています。

BPSSSの‘セーカー保護プログラム’のヘッドDraženko Rajkovićによれば、セーカーハヤブサが受けている最大の脅威は巣の破壊、成鳥の殺害および巣からヒナを盗むことです。このような人による圧力が、強風や豪雨による巣の崩壊などの自然災害に加わります。

‘セーカー保護プログラム’は7年前に開始され、問題解決のために多くの活動が始まりました。「隣国ハンガリーで人工の巣の設置が上手く行き、同国でのセーカーハヤブサの個体数安定につながったことに従い、私たちはセビリアで保護活動をどのように進めるのが良いかをMME-BirdLifeハンガリーに相談することに決めました。最初の木製のトレー状の人工巣は2006年に設置され、2008年までにヴォイヴォディナ自治州政府の資金援助により100巣を設置しました。この木製のトレーで最初のペアが営巣をしたのは2013年のことで、これまでに更に2ペアがこのような人工巣を受け入れています。」とRajkovićは言っています。

セーカーハヤブサに安全な営巣場所を提供する活動は現在も続いています。最近30個の屋根付き金属製巣箱がElektromreža Srbije Public Enterprise社(EMS)の支援により鉄塔上に設置されました。同社は国有企業で、高圧電流配電システムの維持を業務としています。

BPSSSの事務局長Marko Tucakovはこの保護活動におけるEMSの果たす役割の重要性を強調しました。「このようなハイレベルの理解と協力を得られた国有企業や政府機関は他にありません。彼らは私たちに同社の従業員教育のためのワークショップの開催を求めたほどで、彼らは将来のセーカーハヤブサの個体数に対して責任を持ってくれるのです。」

残念なことにセーカーハヤブサを保護するためのあらゆる努力にもかかわらず、BPSSSはセビリアでの保護状態を‘極めて悪い’と評価しています。保護活動家によれば、その大きな理由はハトのブリーダー、特に伝書鳩競技にあるとしています。保護活動家はハトのブリーダーのコミュニティの中に、故意にセーカーハヤブサの成鳥を殺したり、巣を壊したりする犯罪者が居ると非難しています。多くのセーカーハヤブサが繁殖シーズン中に飼育されているハトを餌としてかなりの数捕えるからです。セルビアの鳥類学者は監視員、警察、検察に既に危機的に少なくなってしまったセビリアのセーカーハヤブサ個体群への深刻な脅威を止めるために直ちに取り組むことを求めています。

(報告者:エロディー・カンタルーブ)

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