多数の力: 地中海で渡り鳥を守ろう
渡り鳥が地中海の上空を飛ぶ時、探しているのは多分飛翔時のエネルギーを節約するための温暖な気流か、立ち寄って餌を取るのに適した豊かな環境か、夜を過ごす安全な塒でしょう。逆に、渡り鳥が望んでいないのは電線か密猟者です。また鳥が全く気付いてさえいないのが国立公園の境界や国境です。
このような視点と渡り鳥が直面する全ての脅威を考えれば、多国間での協力的な対応が必要であることが明らかになります。特に渡りの驚異はアフリカ・ユーラシア・フライウェイに沿った全ての国で共有されています。
パートナー団体の国際的ネットワーク全体の専門知識を利用して、バードライフは渡り鳥の飛行ルート上の危険地帯の中心部キプロスでワークショップを開催することにしました。先月、ニコシアで行われたワークショップには20か国が一つの共通の考えを持って集まりました: “私たちは地中海地域で渡り鳥を守るために共同で活動します”。
地中海地域の自然保護NGOからの26人の代表団(13のバードライフ・パートナーを含む)が渡り鳥に対する自分たちの経験、共通の考え方、実行計画を表明しました。5月21~23日に開催されたこのワークショップはMAVA基金の多大な支援の下、バードライフ・キプロスが主催しました。
このワークショップは‘地中海地域におけるフライウェイ保全のための能力構築’と呼ばれるMAVAの支援による広義のイニシアティブと入れ子になっています。この長期に亘るイニシアティブはアフリカ・ユーラシア・フライウェイにおける主要な種、サイト、環境を更に保全するための自然保護NGOのダイナミックなネットワークを構築し、強化しています。これらのNGOが協力して活動しているだけではなく、彼らは地元住民、それぞれの国の政府、国際コミュニティとも効率的に活動しています。
「バードライフ・パートナーシップ(バードライフ・フライウェイ・プログラムを通して共通のビジョンの下、既にまとまっているNGOのネットワーク)の力はこれらの共通する問題に対処するための知識の交換と地域的な共同活動を行う能力にあります。」とバードライフの保護部長リチャード・グリメットは言いました。
このワークショップが終わるまでに、同地域の自然保護NGOは地中海地域の渡り鳥を守るという共通目標の下に一層の団結をしました。ポルトガルにおける送電線への鳥の衝突回避、レバノンにおける狩猟の規制、モンテネグロにおける環境影響アセスメントの最低基準の設定など国別の緊急案件は今や地域全体からの支援によって取り組まれることが可能です。
バードライフ・キプロスのディレクターClairie Papazoglou博士は言いました。「この地域ネットワークの強化はキプロスでの鳥の密猟を止めさせるためのバードライフ・キプロスの活動を支援してくれるでしょう。」
(報告者:ショーン・ハレル)