「2014年世界渡り鳥の日」持続可能な観光業イニシアティブの開発に注目

コフラミンゴの世界の総個体数の75%が生息するタンザニア北部の遠隔地にあるナトロン湖は
`フライウェイの目的地’プロジェクトに選ばれた8カ所のサイトの一つです。
写真提供:Sean Avery

今週末の5月10日~11日は‘2014年世界渡り鳥の日’として世界中の70ヶ国以上の国々で記念行事が行われます。

‘フライウェイの目的地: 渡り鳥と観光業’をテーマとして、‘2014年世界渡り鳥の日(WMBD)’は世界中で渡り鳥の保護、地元コミュニティの発展、野生生物観察の観光業の関連性を強調します。

毎年10億人以上の観光客が国境を超えます。豊かな野生生物は観光業にとって重要な資産で、渡り鳥の壮観な渡りもその例外ではありません。管理が行き届き、バードウォッチングやその写真を撮ることなどの、野鳥に関連した観光活動は人々と渡り鳥の相互に利益をもたらす関係の基盤としての役割を果たします。

「今年のテーマ‘フライウェイの目的地’はバードライフ・パートナーシップが行っている幾つかの重要な方法を強化し、地域社会をサイト、種および生息地を一貫性のある方法で保全し、地域の生活を向上させます。」とバードライフの暫定CEOのHazell Shokellu Thompson博士は言いました。

「地元住民と共に活動することは効率的で持続可能で偏らない自然保護にとって不可欠なことです。自然保護活動はその地に住み、生活手段をそこから入手し、或は絶滅危惧種が生息するサイトそのものを単純に楽しんでいる人々の同意と参加がなければ成功しません。」

‘フライウェイの目的地’プロジェクトに選ばれた8つのサイトの一つがケニアとの国境に近いタンザニアの北端に位置するナトロン湖です。コフラミンゴの世界の個体数の75%が生息するナトロン湖は東アフリカにおける本種の唯一の繁殖地です。

ナトロン湖にとって、地元コミュニティがその開発と推進を行い、そこから目に見える利益を得られるなら、観光業は保護活動の解決策になります。それ故、持続可能な観光業を他の経済活動、例えば話が出ている湖からソーダ灰を採取する計画などに代る真に長期的な代替策にすることが重要なのです。このソーダ灰計画はフラミンゴの個体群に危険を及ぼす可能性があるため深刻な懸念が生じています。

このサイトはナトロン湖からソーダ灰を抽出し、工場の便宜のために道路や鉄道などのインフラを整備するという大規模な工業プラントによる脅威があったのです。バードライフとナトロン湖保護グループ(56の組織の連合体)が工業プラント計画を拒否し、地元住民と野生生物のためにサイトを守るキャンペーンを主導したのです。

毎年10億人以上の観光客が世界を旅して所得額1兆4千億米ドル、世界のGDPの9%を上げているところから、観光業は明らかに持続可能な開発に貢献できる大きな可能性があるのです。

「観光業は国の富、企業の所得、地元の雇用の誰もが認める発生源です。持続可能に管理することにより、観光業は人々と地球そのものに同様に利益をもたらします。」と国連事務総長の潘基文も述べています。

(報告者:マーチン・フォーリー)

 

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