ガルベストン湾でのオイル流出で数千羽の鳥が危険に

今回のオイル流出により最も危険に晒された10種のうちの一種クロハサミアジサシ
写真提供:photomatt28; flickr.com

米国テキサスシティーは先週の土曜日に起きた産業事故による大規模なオイル流出の場所で、この事故はガルベストン湾全体で鳥や野生生物に悲惨な結果を招きます。

船と艀の衝突により起きたこの事故により約17万ガロン(約640万リットル)のオイルがメキシコ湾に流出しました。今回のオイル流出量は4年前に起きたディープウォーター・ホライズン(英国石油会社の海底石油掘削施設)での事故による流出量2億1千万ガロン(約8億リットル)に比べれば少ないのですが、オイル流出はいずれにせよ重大な環境危機を起こします。

「今回のオイル流出事故が深刻なのは流出の量ではなく自然な環境と世界的に重要な野生生物のサンクチュアリの近接地で起きたことです。」とヒューストン・オーデュボン協会の保護部門ディレクターのリチャード・ギボンは言っています。「近接地には面積1,000エーカーを超えるサンクチュアリがあるのです。」

その土地の大部分は世界的に重要なIBA(重要生息環境)であるボリバー・フラッツ海鳥保護区に含まれ、ここには春と秋の渡りのシーズンごとに5万羽~7万羽のシギ・チドリ類や他の水鳥がやって来ます。今回のオイル流出のタイミングは最悪です: 春の渡りは既に始まっており、留鳥には繁殖期にあたるのです。次の10種の鳥が特にオイル流出に対する影響を強く受けます: フエコチドリ、カッショクペリカン、クロハサミアジサシ、アメリカミヤコドリ、アカクロサギ、コオバシギ、キョウジョシギ、ミユビシギ、ウィルソンチドリなどで、全てがここで越冬します。

ガルベストン湾の対応者は既に復旧活動を考えていますが、環境復旧を困難にする可能性のある幾つかの要素を考慮しています。

その一つは、今回のオイルは普通の原油ほどには簡単に散逸しない不純物が多く粘り気のあるタール・オイルであることです。またボリバー・フラッツの干潟はたわしでごしごし洗うのでは綺麗にならないのです。「ここの干潟は洗剤をスプレー出来る岩の多い海岸とは違うのです。」とオーデュボン・テキサスのペーニャは言っています。 

当面はオイルがその除去が容易になるように凝集するだけの長い時間湾内に留まってくれることが望みです。またボリバー・フラッツと北ディア島のサンクチュアリのパトロールが油膜を封じ込めるまでの間続けて行われることです。

報告者:オーデュボン協会

 

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