フライウェイ保全に向けた機運の高まり
BirdLife International(以下BirdLife)と世界銀行の協働によるフライウェイ保全推進の枠組みを正式発表して以来、私たちは、開発と渡り鳥の保全を両立させることを共通目標として掲げています。その実現には強固な連携体制、戦略的なパートナーシップ、そして確かな技術的基盤が不可欠であると認識し、現在では、具体的な成果が着実に現れています。

世界銀行本部でアフリカ・ユーラシアフライウェイ イニシアティブ(AEFI) 設立に関する覚書締結の様子
左:Martin Harper,(BirdLife CEO)、右:Juergen Voegele(世界銀行プラネット部門副社長)
~ビジョンから具体的な行動へ~
目標を実現するために、技術および戦略の専任チームを設置して体制を整えたことで、地域連携が容易となり、パートナーシップ全体での協働が一層強化されました。
~より大きな成果に向けたパートナーシップの強化~
東アジア・オーストラリア地域フライウェイにおけるアジア開発銀行との連携、ならびにアメリカフライウェイにおけるラテンアメリカ・カリブ開発銀行との連携に続き、アフリカ・ユーラシアフライウェイにおける世界銀行との新しい取組みを正式に立ち上げました。これは、自然保護団体と開発銀行との協働における新たな段階の始まりを示すものです。1月には、BirdLife主導のもと、ラムサール条約、移動性の野生動物種の保全に関する条約(CMS)、アフリカ・ユーラシア渡り性水鳥保全協定(AEWA)などの多国間環境協定の技術専門家との協議を実施しました。国際的なルールや枠組みとの連携強化が可能となり、フライウェイ保全が、開発や投資の意思決定において、重要な判断要素として位置づけられつつあります。

Egyptian Vulturesはアフリカ・ユーラシアフライウェイを移動する渡り鳥でIUCNレッドリストの絶滅危惧種に分類されている©Ondrej Prosick/Shutterstock
~資金の確保と拡大~
渡り鳥の保全を持続的に進めるためには、安定した資金基盤の確保が不可欠です。
私たちは、EU LIFEプログラムより約520万ユーロの助成を獲得しました。また、資金動員戦略の策定や長期的な資金確保に向けた取組みを強化するために、約750万ポンド規模のプロジェクト策定および30以上の優先サイトに関する投資計画の整備を進めています。
~アイデンティティと国際的な発信基盤の構築~
本取組みの発信強化に向け、紹介動画の制作、ブランドアイデンティティおよびガイドラインの策定、専用ウェブページの開設を進めました。また、2026年9月にはナイロビにて第2回グローバル・フライウェイ・サミットを開催し、政府、金融機関、専門家、市民社会による連携を促進して解決策を議論します。
~政策と実務への展開~
多国間開発銀行向けに、鳥類に配慮した投資原則およびガイドラインの策定を進め、インフラおよび開発投資におけるネイチャーポジティブな取組みの主流化を目指しています。また、移動性の野生動物種の保全に関する条約第15回締約国会議(COP15)やロンドン気候行動週間、生物多様性条約締約国会議等への関与を通じ、国際的な政策形成に貢献していきます。
~技術的・科学的基盤の強化~
本取組みは科学的根拠に基づいて推進されており、フライウェイ全体において5,680以上のIBAsおよびKBAsを評価・優先順位付けするとともに、パートナーとの協働を通じてアフリカ・ユーラシアフライウェイにおける優先サイトを特定しました。
今後は、優先地域を確定し、関係者間の整合性を図りつつ段階的に取組みを拡大していきます。また、世界銀行との協働を通じてBirdLifeの専門知識をプロジェクトに反映させ、自然に配慮した取組みに繋げていきます。

White Storkは人々に親しまれている渡り鳥で個体数が増加傾向にある©MyImages Micha/Shutterstock
~今後に向けて~
科学、パートナーシップ、資金を結集することで、渡り鳥に配慮した開発の実現に向けた変革が進んでいます。依然として課題は残されているものの、基盤は着実に整備されており、私たちが目指すフライウェイ保全の未来は、これまでになく実現に近づいています。
アフリカ・ユーラシアフライウェイ イニシアティブの動画
原文 (本文を一部編集しました)
Building momentum for flyway conservation – BirdLife International

