水鳥保全を支えるモニタリング 60年の歩み
International Waterbird Census(以下IWC)は、世界で最も長く継続されている現地ベース鳥類モニタリングの1つで、今年60周年を迎えました。毎年1月、世界中のボランティアや専門家が湿地に集まり、水鳥を一斉に調査する市民科学活動として発展しました。Wetlands International調整のもと、現在は189の国と地域で世界の水鳥保全を支える基盤データを生み出しています。多くの国ではBirdLife International(以下BirdLife)のパートナーが国内調査を統括し、調査員の研修・支援、データ管理・提出、行政機関や関係者との連携を行っています。
~IWCが重要な理由~
IWCは、水鳥の個体数推定や長期的な個体群動向を把握する上で不可欠なデータを提供し、各国の保全計画や環境報告、IBAs(重要野鳥生息地域)・KBAs(生物多様性重要地域)の特定、IUCNレッドリスト評価の科学的根拠となっています。多くの国では唯一の長期的データセットでもあり、継続的な現地観察により、生息地の変化や新たな脅威を早期に察知できる点においても重要な役割を果たしています。
~地域から世界へ~
世界各地で同時期に実施される水鳥調査のデータは、国内で集約された後、国際的データベースに統合され、地域や渡り鳥のルート、世界規模の解析に活用されます。こうした継続的かつ安定したデータセットにより、地域の調査結果が、研究者や政府、自然保護団体の意思決定を支える重要な根拠へと発展しています。
~BirdLifeの役割~
多くの国でBirdLifeのパートナーが、IWCとの調整役を担い、調査の実施、観察者の育成、データ管理、行政や関係機関との連携を行っています。例えば、キプロス共和国では、パートナーであるBirdLife Cyprusから36名のボランティアが72の湿地で調査、合計21,592羽を記録し、地域の活動が世界のデータセットにいかに貢献しているかを示しました。IWCは、地域の主体性と専門性を基盤に、ボランティアネットワークで世界的なデータセット作成と保全活動に貢献するBirdLifeパートナーシップの象徴的な活動となっています。
~世界におけるIWC60~
IWC60は、水鳥保全への国際的な機運が高まる中で開催され、ラムサール条約COP15で発足した「グローバル水鳥推定パートナーシップ(GWEP)」とも連動しています。IWCの長期データは、ラムサール湿地の指定基準や国際的な個体数推定の根拠として活用され、国境を越えた保全活動と政策形成を支える中核的な役割を果たしています。
~今後に向けて~
湿地や水鳥は、気候変動や生息地消失など深刻な問題に直面しており、変化を把握し、脅威を早期発見するための長期的モニタリングの重要性はますます高まっています。BirdLifeパートナーシップはIWCの継続と強化に取り組み、ボランティア、研究者、NGO、現場管理者と連携しながら、科学的根拠に基づく保全を推進していきます。
原文 (本文を一部編集しました)
Celebrating 60 years of waterbird monitoring for conservation!




