バードライフに資金支援をしているカップルが世界で初めて全行程で自然を守りながら南アメリカ全長を誰の助けもなしに走り切った
(この記事に先立つ7月4日付の記事も併せてご参照ください)
カリブ海に走りこむ時の気分を想像してみてください。次に、重さ100キロのトレーラーを引っ張りながらマラソンを走り終わった後にカリブ海に走りこむ気分を想像してください。更に、15ヶ月に亘りほぼ毎日トレーラーを引っ張ったマラソンが終わった後にカリブ海に飛び込む気分を想像してください。
これは昨日キャサリンとデービッド・ローリーが彼らの‘5千マイル・プロジェクト’として、世界初の南アメリカの全長を走った人類になった時に経験した思いなのです。
「疲れていたり空腹だった時など本当につらいことが何度もあり、体が苦痛で悲鳴を上げた時もありました。でも次の瞬間には、最悪の状態から引っ張り上げてくれる信じがたいほど美しい光景がありました。」とキャサリンは思い出しています。
そして夢を実現した高揚感の中で、この記録破りのカップルは、バードライフ・インターナショナルとボリビアのパートナー、アソシアシオン・アルモニアへの資金調達を行いながら、彼らが走り抜けた野生生物の生息環境にも大変気を配っています。彼らがやり遂げた‘このように極めて重要な目的’のために走ったことに対してチャールズ皇太子から称賛を受けました。
「私たちはこの特別な惑星(地球)に住んでいることに対して家賃を払うべき時だと感じたのです。」とデービッドは言いました。「私たちは人類が自然にどれほど依存をしているのか、そして自然がどれほど素晴らしいものかを示す決意をしました。それは私たちが克服した小さな歩みでは乗り越えられないハードルのように見えました。時間はどんどん過ぎて行きます。けれども、自然を守るのにはまだ遅すぎることはありません。」一年間に亘り毎日マラソンを走ること自体がとてつもない課題です。けれども彼らは一歩走る度に環境のことを考えており、また、彼らが走った信じがたい光景はそれを守るために彼らが出来ることをやるように常に鼓舞し続けました。
走るだけでは不十分
この環境保護冒険家のカップルには、酷いぬかるみ、雪の中、100%に近いアマゾンの湿度、そして摂氏45度にも達する気温の中をトレーラーを引っ張りながら1万キロを走ると同時に、野生生物の調査を行い、地元の学校の生徒たちに自然保護の大切さを教えるためのエネルギーがたっぷりありました。
キャサリンとデービッドは野生生物観察に時間を費やし、彼らが走ったルートに沿う広い範囲での環境調査で450種の鳥を記録しました。
「ブリザードの吹きすさぶチリの先端からオーブンの中のようなベネズエラ北部まで、私たちはオウムたちと一緒でした。彼らが羽繕いをしたり、私たちの頭の上を大声で叫んだり、巣を掘ったり、あるいは飛び回りながら私たちを観察しているのを見るのは正に驚きでした。」
「オウムたちはいつも私たちを元気づけてくれ、地球がどれ程素晴らしい星であるかに気づかせてくれました。」
共に35歳のローリー夫妻は、このマラソンを走る前に‘小アンティル諸島の海鳥繁殖地地図’を表し、豊富な調査経験を持っています。夫妻は海鳥のモニタリングと繁殖コロニーの発見のために小アンティル諸島すべてを船で訪れています。その結果はバードライフのカリブ地域での‘鳥を指標とする重要生息環境(IBA)’活動を助け、‘海鳥とマリーン・プログラム’に情報を提供しました。
関連する自然保護活動
デービッドとキャサリンが走ったルートとその環境ではチリ、アルゼンチン、ボリビア、ブラジルのバードライフ・パートナーが共同で自然保護活動を行っています。例えば、バードライフは絶滅危惧ⅠA類のアオキコンゴウインコやアカミミコンゴウインコなどの生息地の保全活動を進めています。
夫妻は地元の学校を訪れ、1,000人以上の子供たちに地元の自然の中に出て行き、楽しむよう促しました。ベネズエラでは二人は5種の地域の鳥についての説明会を行いました。
「私たちは何種かの素晴らしい鳥を見て、5種の信じられないような嘴を持つ美しい鳥を選びました。それぞれが特定の食物に適応しているので、適応がどのように働くかを調べることが出来ます。」とキャサリンは言いました。
「二人は持ち物を乗せたトレーラーを引っ張るだけでなく、彼らが北へ走るのに従い、二人は到着した近辺やコミュニティで自然とバランスの取れた生活を行うことの大切さを理解した大人や生徒たちの長い行列も引き連れています。」とバードライフの‘保護活動達成賞受賞者’のパタゴニア自然保護協会のCEOクリス・トンプキンは言いました。「二人のメッセージは急を要し、また明白です。人の自然との係り合いや環境の健全さは未来の人間社会の繁栄にとって不可欠だということです。]
デービッドは言っています。「ベネズエラでは私たちが通ると、人々は拍手をし、いつも私たちにお金を呉れようとして立ち止ります。南アメリカの最貧国ボリビアでは皆が飲物やグレープフルーツを呉れようとして私たちの後ろを走りました。このようなことがあるとは全く期待していませんでした。」
報告者 ショーン・ハレル