バルカン諸国のコウモリ: 地下にも生物多様性がある!
ネレトヴァ川集水域のコウモリと地下の生物多様性を守ることを目的とする二つのプロジェクトがボスニア・ヘルツェゴビナでのワークショップで開始されました。
二つのプロジェクトはクリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)の資金支援とDOPPS(スロベニアのバードライフ・パートナー)を含むバードライフ・インターナショナルの地域実行チームによる監督により行われます。
ネレトヴァ川はジナルアルプス山脈地域で最大のカルスト河川です。カルスト地域とは岩の層が川によって溶かされ、複雑な洞窟システムが形成された場所です。これはコウモリと独特の地下の生物多様性にとって大変重要な場所です。
カルスト・洞窟学センター(CKS)により実施される両プロジェクトが6月28日にワークショップの開催と共に始まりました。このイベントは40以上の主要な利害関係者にプロジェクトの目的や計画されている活動を紹介し、実行チームと最終受益者との間に有益な協力関係を作ることを目的にしていました。CKSやクロアチアの専門家が地域の生態系でのコウモリと地下の生物多様性の生態的役割の重要性と早急な保全の必要性について講義を行いました。ワークショップではこの地域のその他のCEPF助成金や有力なCEPF助成金を担当する人々との会議、討議、協力などの機会を提供しました。
CEPFから高額助成金を受けた第1のプロジェクト‘ネレトヴァ川集水域でのコウモリ類の保護’はボスニア・ヘルツェゴビナのカルスト地帯の洞窟に生息するコウモリへの積極的な貢献と脅威に対する関心を高めることを目的としており、8月24日にチャプリナで開催される一般にも開かれる同国初めての‘コウモリの夜’フェスティバルで終幕を迎えます。このプロジェクトは正確なデータを集めるためにボランティアのコウモリ類モニターのネットワークを作ることも目的としています。
CEPFの小額助成金を受けた第2のプロジェクト‘ネレトヴァ川集水域の地下の生物多様性の保護―自然保護ホットスポットの確定と関心の喚起’は、ネレトヴァ川集水域の地下カルストに生息する種の予備的リストを作成し、現在の脅威を明らかにし、保護のためのホットスポットを提案することを目的としています。それに加えて、このプロジェクトでは地元の専門家を訓練したり、地下の生物多様性保護への関心を高めるための機会を作る力を与えるでしょう。