ヘラシギの越冬地が保護区に

ナンタ島には世界のヘラシギの個体数の12%が生息している 写真提供:© Butterfly Hunter/ Shutterstock

ミャンマーのナンタ島は、ヘラシギ(絶滅危惧ⅠA類)にとって非常に重要な越冬地です。BANCA(ミャンマーのパートナー)と地元の人々の努力の結果、この島は保護区に指定されました。

ミャンマーのナンタ島の干潟を歩き回りながら、ヘラシギがその独特のヘラ状の嘴(くちばし)を使って小さな無脊椎動物を濾し取っています。この小さなヘラシギにとって幸いなことに、その場所は保護区の中にあり、餌も豊富でハンティングの脅威からも安全なのです。けれども彼の仲間が皆幸運というわけではありません。世界の個体数は456羽以下と少ないうえ、今も減り続けているヘラシギ(絶滅危惧IA類)は、正に絶滅の一歩手前なのです。

ナンタ島はヘラシギのポイントとしてよく知られている場所ではありませんが、重要な場所に違いはありません。この島とそのすぐ側のラカイン州・Mayyu河口は約3,600haあり、ヘラシギの世界の個体数の12%が生息しています。

この地域は、2008年に「ヘラシギ・タスクフォース」が行った調査でその重要性が確認されました。しかしこの場所で越冬するヘラシギには地元住民の狩猟という脅威を受けてきました。BANCA(ミャンマーのパートナー)は、こうした脅威からこのユニークな鳥を守るためにこの地域で熱心に活動してきました。

問題を根本から取り除くため、BANCAは地元住民の社会・経済調査を実施しました。その結果、ほとんどの住民は生活のためにシギ・チドリ類の狩猟を行っているわけではなく、食事にバラエティを持たせるためにやっていることが明らかになりました。そこでBANCAは地元のラカイン生物多様性・自然保護協会と共同で教育・普及啓発活動を行いました。

そして、BANCAとナンタの住民は、多くのウミガメの繁殖地にもなっているこの環境を、保全すべきであるとの考えで合意しました。BANCAは、地元コミュニティの代弁者として、ナンタと隣接する湿地をフライウェイ・ネットワークに登録することをミャンマー政府に提案しました。

BANCAの調査によってナンタ島がヘラシギにとって重要な環境であることが確認された。

BANCAの事務局長であるPyae Phyo Aungの話です。「ミャンマー政府が最近実施した生物多様性・保護区法の改正によって、保護活動におけるコミュニティの参加の重要性が高まりました。地域住民の参加があったからこそ、ナンタ島は今回フライウェイ・サイトとして認められたのです。」

保護区設立はもちろん大きな第一歩ですが、BANCAの活動が終わるわけではありません。ヘラシギや他の渡り鳥、様々な海洋生物の安全を確保しなければなりません。まずは保護国指定されたことで、教育と普及啓発の活動がさらに規模を拡大して行われるでしょう。

ヘラシギとその仲間の未来を守るために。

報告者: Shannon Anstee

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