2012年の繁殖期はチャバラカササギビタキ(Tahiti Monarch)にとって驚異的な成功
絶滅危惧ⅠA類のチャバラカササギビタキがポリネシア鳥類学会(SOP-Manu, フランス領ポリネシアのバードライフ・パートナー)が1998年に集中的な巣の保護プログラムを始めて以来最も成功した繁殖シーズンを送りました。
「10羽が巣立ちし、これはそれ以前の年の4倍増にあたり、また7箇所の新しいテリトリーが出来ました。」とSOP-ManuのCaroline Blanvillainは言いました。
チャバラカササギビタキはIUCNのレッド・リストで絶滅危惧ⅠA類とされており、2011年には44羽の成鳥が確認されただけでした。主な脅威はクマネズミが巣を襲って捕食することです。インドハッカ、ミナミチュウヒ、シリアカヒヨドリなどの外来種による捕食や撹乱も小さな個体群に圧力を加えています。
また、オオバノボタンなどの外来植物やヤギなどの外来哺乳動物がタヒチの森林に重大な構造的変化を起こしました。1998年までにチャバラカササギビタキはタヒチ西部の僅か4つの谷で見られるだけとなり、現在では3箇所、面積にして28平方キロメートルに限られると思われます。
2012年の繁殖期までに(同年を含む)SOP-Manuの活動により繁殖個体群を5から13に安定させることに成功しました。2012年の繁殖大成功のニュースは個体数が増加し、以前のテリトリーにも戻ってくるという希望をもたらしました。もし巣立ち成功度の改善が維持されるなら、鳥の一部を現在ネズミやハッカチョウなどの外来種が居らず、適切な繁殖環境があるリマタラ島に引越しをさせるでしょう。
「巣立ちした10羽の幼鳥はチャバラカササギビタキの生き残りに希望をもたらしてくれます。」とカロラインは付言しました。
2012年9月~2013年3月の繁殖期の成功はSOP-Manuの保護活動を前向きに強化します。2009年以降:
1. 外来種の抑制は営巣地でのネズミに集中していたものからハッカチョウとヒヨドリを含むように拡大しています。
2. 大きな滝が多いために近づくのが困難なマルアポ渓谷IBAの上端に営巣する6ペアのヒタキが復活プログラムに組み入れられました。
「外来鳥類のコントロールが2012年にはかなり強化され、それが去年の繁殖が急に増えたことの説明になるでしょう。」とカロラインは付言しました。「それに加えて、私たちはヒタキの営巣地をリストアップし、今その修復をしているところです。」
報告者:MANU