サンフランシスコ湾が‘国際的に重要な湿地’に認定された

サン・パブロ湾湿地
写真提供:Mike Perlmutter

カリフォルニア州のサンフランシスコ湾・入り江が、同地域の自然の健全性を保つ上で果たす重要な役割が確認された結果、ラムサール条約の定めに従って‘国際的に重要な湿地’に指定されました。サンフランシスコ湾は1000種を超す哺乳類、鳥類、無脊椎動物と130種以上の魚類の生息地なのです。

「私たちは昔からサンフランシスコ湾が渡り性のシギ・チドリ類や水鳥にとって北半球での重要な場所であることを知っており、この認識が国際社会でのこの場所の地位を固めました。今回の指定により、この極めて重要な環境の再生と保全のための活動が強化されることを望んでいます。」とオーデュボン協会(米国のバードライフ・パートナー)カリフォルニアの沿岸管理プログラム部長のアンドレア・ジョーンズは言いました。

今回の指定は直ちに同湾の野生生物やその生息地の保護に対する法律的な強制力につながるわけではありませんが、関係機関が保護活動をステップアップするような国際的圧力になり、湿地の再生に対する追加資金につながるでしょう。

「今回の指定はサンフランシスコ湾エリアの住民にとっても誇りになるはずです。都市化の強い圧力を受けながらも、サンフランシスコ湾はそれでもなお我が国の偉大な自然の財産の一つなのです。」とサンフランシスコ湾共同事業のコーディネーターのベス・ハニングは言いました。

今回のラムサール湿地の指定はサンフランシスコ湾共同事業の加盟団体のおよそ4年に亘る活動の結果で、この事業は渡り鳥や他の野生生物のために湿地の保全、再生を望む多くの公共および非営利エージェンシー、土地所有者および商工団体をとりまとめています。オーデュボン・カリフォルニアは他のパートナーと共に申請書の起草で重要な役割を果たしました。

ラムサール条約(正式名称: 特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)は1971年に採択された政府間条約で、湿地とその資源の保護と賢明な利用のための国の活動と国際協力の自発的枠組みを定めたものです。ラムサール条約は特定の生態系(即ち湿地)を対象とし “すべての湿地の賢明な利用”を勧める唯一の国際的な環境に関する条約です。米国が加盟したのは1987年でした。

今回の指定は科学に基づいたものです。PRBO保護科学、オーデュボン・カリフォルニア、サンフランシスコ湾鳥類観察、米国地質サービスなどの自然保護団体の数十年に亘る調査により、この認定が必然的に決まるように野生生物の現状が要約されました。

 

指定サイトはサンフランシスコ湾の周辺およそ40万エーカーの湿地や水域を含み、鳥と野生生物の保護に献身的な公共・個人双方の様々な土地所有者を含んでいます。

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