EUの運輸の炭素を取り除くための有害なバイオ燃料に代わる代替策を最新の報告書が提案
オランダの調査研究機関CE Delftによる最新の報告書‘欧州連合(EU)における土地を利用したバイオ燃料に代わる持続可能な代替策’によれば、欧州は有害なバイオ燃料の復活なしで効率的に運輸のためにオイルに代わる再生可能エネルギーへの転換が出来るとのことです。
この報告はエネルギー効率を優先し、廃棄物などから作られる再生可能電力と持続可能なバイオ燃料の採用をスピードアップすることにより、EUの重大な政策シフトを推奨するシナリオを研究しています。
現行のEUの義務は、欧州の運輸部門は2020年までに総量の10%を再生可能なエネルギーにしなければならず、一方、燃料供給者は運輸用燃料に含まれる炭素の濃度を6%下げることが求められています。
EU加盟国の政府はこれらの目標を農作物で作ったバイオ燃料を集中的に利用することにより達成する計画をしていますが、それは食糧生産を新規の土地へ移し、その結果炭素排出が増えることなどの広範囲の環境および社会への影響を無視するものです。欧州委員会の研究によれば、現在欧州で販売されているバイオ燃料のほとんどは、このような間接的土地利用の変化(ILUC)により生ずる炭素排出を考慮に入れると、従来の燃料と比較して排出削減効果が全くないか限られたものなのです。
CE Delft報告書はEU委員会が10月に提出した全体的に不満足な妥協の代わりに、本当の政策シフトとはどのようなものかを示しています。EU委員会の提案は、もし採択されれば、10%という運輸用燃料の目標の少なくとも半分は2020年に有害なバイオ燃料の利用により達成され、これらの燃料の消費が伸びることが許されることを意味するでしょう。
環境保護団体は欧州議会およびその加盟国にこの報告書に示されているEUの環境に優しい運輸用燃料の政策を軌道に戻すための代替シナリオによる解決策に重点的に取り組むよう強く求めています。
この解決策は2020年に相当な炭素排出の削減が可能になる上、大きな雇用の元になる革新的産業の開発を助長します。重要なのは加盟国が既存の政策の枠組み内で農作物からのバイオ燃料のシェアをゼロまたは大幅に減らすことでその公約を守ることが可能なことです。
欧州委員会の提案は2月と3月に行われるエネルギーおよび環境委員会においてEUの大臣により討議され、それに続いてEU議会で討議される予定です。