40周年を迎えたスリランカの草分け的野鳥グループ
スリランカ1976年10月: 7人の勇敢な先駆者たちが島の鳥への認識と生物多様性の保全に貢献すること目標を定めました。その結果は?FOGSL(スリランカ野鳥学グループ)の創立です。
2016年: FOGSLは今年40周年を迎えました。誰からも敬愛されているSarath Kotagama名誉教授に率いられて、FOGSLはコロンボ大学に所属する研究者のグループから、1994年にはバードライフ・パートナーになりました。
それ以来バードライフ・パートナーシップ内でFOGSLの影響力は拡大し続け、Kotagama会長は2013年にバードライフのグローバル委員会のメンバーに選ばれ、今年はその集まりがスリランカで開催されました。
多くの人と関わりを持ち、社会や言語の障壁を破るのがFOGSLのやり方です。スリランカではかつてはバードウォッチングが都市に住むエリート階級の人たちに限られていました。植民地時代の支配者の習慣に起因するためです。現在ではFOGSLは5万人を超えるメンバーや多くの学校に対して環境教育を行っています。
FOGSLは常にコミュニティに働きかける努力をして来ました。「シヨ、シリ」という言葉はシンハラ語(スリランカ最大民族の原語)で「皆が一緒になる」という意味です。彼らのアウトリーチ活動は、写真展からフィールドへの遠征、鳥の足環付けから子供たちの活動まで精力的かつ感動的ですらあります。
またFOGSLは鳥類、哺乳類、そしてサメ類のフィールドガイドを英語とシンハラ語で発行しています。「私たちは言語の壁を破り、鳥と自然保護に関する情報をすべての人々に提供しました。このことを誇りに思っています。」とKotagamaは言いました。
「FOGSLは正にそのモットーである‘自然と人のためのパートナーシップ’を実践しています。彼らは私たちの環境だけに止まらず多くの命をより良いものにするために保護活動と啓蒙活動で優れた業績をあげ続けているのです。」とコロンボ大学の副総長Lakshman Dissanayake教授は言いました。
アウトリーチ活動がFOGSLの活動のすべてではありません。バードライフのスリランカのパートナーとしてFOGSLは70ヶ所のIBA(重要生息環境)の特定を行いました。
約35万ヘクタールをカバーするこれらのIBAには375種の鳥が生息し、その中にはセイロンルリチョウ、スリランカマルハシ、セレンディブコノハズクなど27種のスリランカの固有種が含まれています。2012年にはスリランカの鳥のレッドリストも編集しました。
海外との提携も、世界的に危惧されるスリランカの鳥の保護に寄与しています。米国森林局およびマサチューセッツ大学アマースト校との共同活動により、カシミールオジロビタキの生息域が地図に示され、その社会的習性と好みの生息環境の理解に役立ちます。
極めて見つけにくく、絶滅が危惧されるルリカワセミについても調査・研究が行われ、本種の保護活動計画が策定されました。
FOGSLの成功は知らぬ間に起きたわけではありません。「FOGSLが過去40年にわたってスリランカの鳥と生物多様性保護のために注いだそのハードワーク、献身、約束を大きな誇りと謙虚の気持ちで祝いたいと思います。」とバードライフ・インターナショナルの事務総長パトリシア・ズリータは言いました。パートナーシップ全体を代表して、FOGSLの40周年を祝い、バードライフの使命において彼らがその一部を担っていてくれることに感謝の意を表明します。
報告者: Rosa Gleave