熱帯太平洋の海鳥保護に重要なサイトが特定された
バードライフが‘海鳥のための重要地域―熱帯太平洋における海洋保全案内’というタイトルの報告書を発行し、現在マリーンIBA(重要生息環境)として特定されている熱帯太平洋での海鳥にとっての最重要サイトを明らかにしました。報告書は気候変動、漁業、外来種など人が原因の影響を示して、この地域の海洋と島嶼の現状について海鳥が何を告げているのかを示しています。
「これらの場所を守ることは太平洋の島々とそこに住む人たちの生計と文化遺産を守り、政府が約束した生物多様性保全を実現する助けになるでしょう。」とバードライフの太平洋部長のドン・スチュアートは言いました。
千年の間太平洋の海鳥は食料、羽毛、肥料(グアノとして)などの利益を人々に提供しました。船乗りは海鳥を魚の群れの場所を示すものとして利用しています。
熱帯太平洋を定住地とする海鳥は62種居ます。そのうちの幾つかは個体数が多く、絶海の環礁に巨大なコロニーを形成して繁殖する一方、あまり知られておらず、絶滅の恐れが高い種も居ます。
「すべての海鳥が繁殖のための陸地と摂餌のための海の両方で、彼らが依存している重要サイトの保護と効果的な管理を必要としています。」と太平洋マリーンIBAのコーディネーターのジェス・バードは言いました。
「海鳥の出現頻度によりIBAと呼ばれる重要な保護サイトを特定できます。この報告書に記載されている104の陸上サイトと99の海洋サイトは、海鳥や他の野生生物にとって、太平洋における特別な場所なのです。」
しかしながら、これらサイトの現況は地域によって異なっています。ある場所では海鳥の個体群が安定または増加している一方、急速に減少している所もあります。驚くことに、多くのサイトについて現状を評価するための信頼できる最新の情報がないのです。
陸地での主な脅威は外来種と食料のために海鳥を持続不能なほど多く獲ってしますことです。海では過剰漁獲と公害がほとんどのサイトに影響を与えていますが、海鳥に与えるこれらの影響の大きさがあまり理解されていません。気候変動は陸地と海の両方で海鳥に影響を及ぼす新しい脅威です。
幾つかの勇気付けられる成功例もありますが、これらのサイトを守るためにはもっと多くの活動が必要です。地域コミュニティ・グループ、政府、NGOなどが幾つかの地域の最も目立つサイトの状況改善に成功し、海鳥、他の野生生物、地元の人々のために利益を与えました。「バードライフのパートナーシップはパラオ、ニューカレドニア、フィジー、仏領ポリネシアなどのサイトからネズミを駆除する活動を行ったことを誇りに思っています。このような活動が早くも海鳥の個体数の復活を助けています。陸海両方でサイト保全のレベルを高め、政府が生物多様性保全の約束を果たすことを助けるために、彼らと共同で行うべきより多くのチャレンジが私たちの前にあるのです。」とジェスはコメントしました。
報告者:BirdLife Pacific