気候変動会議:ドーハ気候ゲートウェーを定めて閉幕

各国政府は妥協案に合意しましたが、今回もまた実際に必要な対策には遠く及ばないものでした。
写真提供:MINAMPERU/flickr

カタールのドーハで行われた直近の気候変動会議が今週土曜日(12月8日)に閉会しました。2週間にわたる張り詰め、いらいらする交渉の後、各国政府は妥協案に合意をするに至りました。しかし、これは世界の平均気温の上昇を産業革命前のレベルより摂氏2度以内止めるために必要なことには遠く及ばないものでした。

緊急性を欠いていることが大きな期待はずれです。台風‘Bopha’に襲われたフィリピン、太平洋の島嶼国での海面上昇、ハリケーン‘サンディ’が数週間前に襲来したばかりのカリブ海諸国と米国、国連環境会議が‘2012年排出ギャップ報告書’を発行したことなどを含み、多くの途上国からの切々とした訴えがあった中で、経済と政治が今回も又会議での勝利者になったのです。

「公正で意欲的な結果に至るチャンスもあったのですが、妥協案はそのようなものではありませんでした。」とバードライフ・インターナショナルの政策ヘッドのメラニー・ヒースは言いました。「世界中で起きている気候変動の影響増大という背景がありながら、やる気のなさが大きな期待外れでした。」

キーになる進展は京都議定書の将来で、加盟国は2013年1月から始まる第2約束期間として2020年までの8年間これを延長することに同意しました。同議定書は国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の中で唯一の法的拘束力を持つものです。議定書では先進国に排出削減目標が設定されています。幾つかの主要国、とりわけカナダ、日本、ニュージーランド、ロシアが最近このメカニズムから離脱し、留まっている国は合わせても世界の排出量の15%を占めるだけです。しかし、これは実質的な決定で、少なくとも幾つかの先進国が自国の炭素排出を削減する約束をしたというシグナルを送るものです。

また各国はドーハにおいて、京都議定書締結国は遅くとも2014年までに排出削減目標を25~40%の範囲に合わせて見直すことに合意しました。より強いものにすることも可能でしたが、この決定は各国が2020年に先立って排出削減目標を高め、これを実現する機会を与えるための明確な道義的責任を強めます。恥ずべきなのは、各国が2012年以前の排出許容量を次の8年間に持ち越すことが認められていることです。このような抜け穴はどうしても‘ホットエア’を作ってしまい、ポーランドのようにこれまでの期間には予定した排出量を下回っていた国がありながら、将来この許容量のトレードが認められるという炭素市場メカニズムを弱めることになります。オーストラリア、EU、日本、リヒテンシュタイン、モナコ、ノルウェー、スイスはこのような排出許容量の持ち越し分の買取はしないとの政治宣言(本質的には約束)を行いました。

しかし、前進するためには、より意欲的な排出削減目標が必要なだけではなく、資金も必要です。2009年にコペンハーゲンで開催された気候変動交渉では、参加国は気候変動の緩和とそれへの適応のために2020年までに1,000億米ドルの拠出を約束しました。2010~2012年の期間におよそ300億ドルが獲得されました。ドーハ決議は各国政府に長期の財政的方向性の提出と適応のための公的資金を求めていますが、数字が言及されておらず、先進国には経済状態により現在のレベルの資金支援を維持することを促しています。それは高い意欲を植え付けるために役立つ可能性のあった2020年以前の目標には何ももたらさないのです。

このことは常に会議を難しいものにしてきました。5年間の交渉期間は緩和、適応、能力構築、技術移転および財政などのバランスの取れた活動パッケージの概要を示す長期的協力活動に関する作業の流れに注がれました。これは2020年の実施のために、2015年までに公正で意欲的かつ法的拘束力のある合意が進展するように討議を集中するために終わらすことが必要でした。これらの項目が将来どのように考慮されるべきかについて意見が分かれました。最終的に今回のCOPでの決定の多くは手続き上のことになりました。ほぼすべての活動を新しい活動プログラムに賭けるか、それらを会議の他の交渉手順や技術的手順に組み込むかでした。貴重な時間が無駄になるのを恐れRSPB(英国のパートナー)の気候変動チーフのジョン・ランチベリーは「これらの話し合いは未解決の技術的問題の幾つかを明らかにすることには成功しましたが、残念なのは今排出を減らすためには何もやっていないことです。」

気候変動適応については‘損失と損害’に関する重要な結果が明らかになりました。適応や緩和努力だけでは弱めることが出来ない、気候変動が原因の極端な出来事や遅発性の出来事による途上国の損害に対してどのように対応するかに関して各国が熱い議論を戦わせたので、この問題については政治的スペースが増えています。「私たちは交渉において気候変動リスクを下げることに失敗した場合の費用が内在化されているのを見ています。」とバードライフの気候変動オフィサーのロバート・マンローは言いました。「ドーハでは、‘損失と損害’についての活動プログラムは、この緊急問題が政治的に認識されるために、国際メカニズムなどの制度的取り決めの確立を知らせる新しいタスクが与えられました。影響は今起きているのです。ドーハで私たちが見たように更に遅れるのではなく、今から1年後のCOP19で解決されねばなりません。」

森林伐採による排出を削減する活動で、どのように排出削減を測定し、報告、検証し、活動を測定し、結果基準の活動に資金的裏づけを行う決定、すなわちREDD+として知られているメカニズムが来年に持ち越されました。しかし各国は来年には自然林の保全に欠くことのできない森林の多様性を含む、炭素削減だけでない利益をもたらす森林が果たす役割について話し合うことを確約しました。

それゆえ、今回の会議の結果はまだ入口です。すべての国がすばやく、真摯にこの入口を通り抜けなければなりません。正しいことを行うという話をするだけでなく、それを実行し、目標設定に意欲を示し、排出削減への資金を約束し、気候変動の影響に適応し、そして2015年までにすべての国を含む合意をまとめることです。歯車は非常にゆっくりとしか回りませんが、正しい方向へ向かっています。フィリピンからの交渉者の言葉にあったように、世界は私たちが望む未来に対して責任を取る勇気を持たなければなりません。「もし私たちでなければ誰がやるのか?今でなければいつやるのか?ここでやるのでなければどこでやるのか?」。私たちは全員これらの言葉を耳の中で響かせて帰国の途につき、個人、地域、国、地球全体で私たちが望み、世界が必要とする未来を確保するためにやれることを全力で行わねばなりません。

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