ギニアの渡り性水鳥保全が新しい局面に
ギニアで渡り性水鳥の保護活動を進める準備が整いました。AEWA(アフリカ・ユーラシア渡り性水鳥条約)に基づく国内行動計画、コフラミンゴおよびカンムリヅル類行動計画が策定されたのです。
バードライフはMAVA基金(スイスに本部を置く生物多様性の保全のための基金)の「渡り性水鳥保護プロジェクト」およびAEWAからの支援を受けて実施した 「ギニアにおける渡り性水鳥の持続可能な保護に対する国の能力強化」プロジェクトを通して、担当政府機関に対し、水鳥と湿地の管理能力の強化を行いました。
2015年12月に行われたAEWA国内行動計画および種の行動計画に関するワークショップでは、15人が水鳥の同定およびモニタリング、調査技術およびIBA(重要生息環境)モニタリングの訓練を受けました。
「種行動計画」の実施とコフラミンゴおよびカンムリヅルに対する国際ワーキンググループとの協力を円滑に行うための国内ワーキンググループがOGUIPARにより指名されました。
「私はギニアにおけるインフラ開発や他の経済開発に関する会議に度々呼ばれますが、開発による生物多様性や野生生物の生息地への影響についての私の説明は誰にも理解されません。これらの行動計画はOGUIPARにとって資産であり、開発において鳥やその生息地の保全を考慮することが人々自身のためになることを示すものです。」とOGUIPARの代表Mamady Seiba Keitaは述べています。国際水鳥カウントの一環として2015年と2016年に5ヶ所でカウントが行われ、少なくとも53人がセンサスに参加しました。カンムリヅルとコフラミンゴのモニタリングはトリスタオ島とKapatchezで行われました。この2サイトに対する脅威には、土地の改変、マングローブの伐採、洪水、野火、狩猟、漁業による攪乱、気候変動などがあります。
渡り鳥、特に、コフラミンゴとカンムリヅルの保全の取り組みを進めるため、ギニアでは2015年と2016年に‘世界渡り鳥の日’に、渡り鳥そのものや、密猟、売買に対する政府機関、若い人々や一般の人々の認知度を高めるためのイベントを開催しました。マスメディアのラジオ・テレビ・ギニア(RTG)放送局もこのイベントを報じました。
このプロジェクトの実施とその結果から、次のことが教訓として挙げられました:
- AEWA国内行動計画と種行動計画は、複数の環境機関や組織の協力体制を構築するのに効果的なツールである。
- 種行動計画とAEWA国内行動計画の開発において様々な利害関係者が関わることは、水鳥の管理能力の強化につながる現場レベルの有効なプロセスである。
- 種行動計画とAEWA国内行動計画は資金集めや政府からの予算割り当てを要求するのに利用できる。
- 責任を巡る争いは複数の組織が関与する時に起きやすい。種のワーキンググループが担ったような仲裁メカニズムがあると、このような争いが深刻になるのを防止できる。
- 「世界渡り鳥の日」を祝うイベントは、政府、意思決定者、若い人や一般人全般の関心を高めるための重要なイベントである。
報告者: Geoffroy Citegetse
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