ハゲワシを祝おう
世界中のバードライフ・パートナーが‘国際ハゲワシ啓発の日’をイベントや関心喚起を行って祝う猛禽類保護・調査団体の活動に加わります。この活動はアフリカとアジアでハゲワシ類が直面している問題の背景に対するものです。
ハゲワシ類は生態学的に重要な鳥類のグループで、現在その生息地の多くの地域でいろいろな脅威を受けています。多くの種の個体数は追い詰められており、種によっては絶滅に瀕しています。9月1日に行われる‘国際ハゲワシ啓発の日’は彼らの窮状と重要性を人々に思い出させる日なのです。
ハゲワシは非常に重要な環境内での役割を果たします。彼らは環境を死骸や排泄物のない状態にし、炭疽病やボツリヌス中毒症などの病気の蔓延を抑え、ネズミや野良犬などの害獣の食物を減らすことでその数を抑制します。アフリカやアジアでは彼らはコミュニティにとって文化的な価値があり、エコツーリズムにも重要な価値があります。{たんそびょう}
しかしながら、ハゲワシの個体数は世界中で急激に減っています。インド亜大陸ではかつてはごく普通だった3種のハゲワシの数が、獣医薬のジクロフェナクを与えられて死んだ家畜の死骸を食べたために、97%以上も減少しました。
2006年にインド、パキスタン、ネパール政府は遂にジクロフェナクの製造を禁止し、製薬会社はハゲワシにとって安全であることが確認されている代替薬品メロキシカムへの切り替えを推奨しています。ジクロフェナクの製造禁止はこの薬品の広がりを抑える上で一定の成功を収めました。しかし残念なことに製造は禁止になっても、販売や使用はまだ禁止ではないために、南アジアでは引き続きハゲワシ減少の全体的な傾向が残っています。
これに対して、東アフリカでは化学薬品の誤用に関連したハゲワシの大量死が起き、西アフリカでは生息地の喪失が個体数の激減を招き、南アフリカではハゲワシの体の一部が伝統的な薬や魔術の道具に使われていることからかつての生息地の大部分からハゲワシが居なくなりました。
ハゲワシへのその他の脅威には電線への衝突と感電、繁殖地での攪乱、農業用水池での溺死、直接的な迫害および食物の減少などがあげられます。