‘アースデイ’での歴史的署名に根ざした気候変動協定

樹木について想像してみてください。深呼吸をしたくなる新鮮な空気を思い浮かべるかも知れません。あるいは、炭素を蓄えたり、気候変動を抑える役割、食糧や生計手段としての木材、あなたが愛する野生生物の生息地を思い浮かべるかも知れません。子供の頃木登りをした時に感じた感覚を、あるいは自分たちよりずっと長く生きてきた木の頑丈な幹や長く伸びた根を思われるかも知れません。樹木についてどのようにお考えになっても、樹木は今年の‘アースデイ’の特別な式典を記念する偉大なシンボルです。

樹木は‘気候変動に関するパリ協定’での署名と同じくらい、健やかな地球とって不可欠です。

‘国際マザーアースデイInternational Mother Earth Day’のこの日、ニューヨークの国連本部ではこの種のものとしては国連の歴史上最大の署名式を開催して、気候変動と戦うための地球規模の計画を後押しする政治的な勢いが増していることを示します。

国連事務総長の潘 基文は各国の首脳クラスを集めた署名式を主催し、式中に世界各国は12月に採択された、地球の未来にとって極めて重要な‘気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)におけるパリ協定’に署名する予定です。

「今日、‘パリ協定’に署名することは、リーダーシップと意志を示す強力なデモンストレーションになります。150以上の国が署名するのは心強いことです。」とバードライフの気候変動コーディネーターのEdward Perryは言いました。

協定への署名は気候変動に取り組むための対策の実施を約束することを意味します。今年の‘アースデイ’のテーマ‘地球に木を’は、署名の象徴となっています。樹木を考慮した取り組みによってのみパリ協定の達成することができるからです。

「森林と他の多様な生態系を守り、再生することは気温上昇を摂氏1.5度までに抑えるための不可欠な基盤となります。それは気候変動の影響を受けやすいコミュニティやインフラを守りつつ、自然の再生力を活かすことにもつながります。」とPerryは言います。

バードライフは各国政府に対して自然に基づいた解決策がパリ協定を成功させるカギになると呼び掛けています。世界中のバードライフ・パートナーは自然と人のために真に有効な生態系を活かした気候変動適応策を模索しています。

この数か月での決定内容は、樹齢千年の樹木のように、世代を超えて影響を及ぼすでしょう。

もう立ち止まる時間はありません

今日、世界中の政府が気候変動の危機に取り組む最初の一歩を踏み出します。次のステップは、協定が公式に有効となるよう各国がアクションを起こし、これが予定より早く実現させることが期待されています。

フランス大統領フランソワ・オランドとカナダ首相ジャスティン・トルドーは、パリ協定がいつ国の法律になり、どのように国の気候変動対策の機運を高め、誰と一緒に今後の4年以内に緊急な気候対策活動を行うのかについてスピーチをする予定です。

署名の後、各国はパリ協定を批准、承認あるいは受諾するための行動を起こす必要があります。これは世界の炭素排出の55%を占める55以上の国で実現してから30日後に法的効力が発生します。

「興味深いことに、パリ協定は2020年以降のことを意図していますが、もっと早く実現する可能性がかなりあります。」とPerryは言います。

「気候変動危機に取り組むには紙に書かれた言葉ではなく、究極的には行動することが重要です。パリ協定は多国間協調主義において重要かつ歴史的なブレイクスルーとなりました。今こそ行動を起こす時です。」

今こそインスピレーションのために樹冠を見上げ、地上に行動の種をまくべき時です。

 

報告者: Shaun Hurrell

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