サイクロン‘ウィンストン’がオナガミズナギドリの繁殖地、「キャスト・アウェイ島」を直撃

サイクロン’ウィンストン’の前と後のモヌリキ島
写真提供: Khufu Osiris

フィジーのモヌリキ島はトム・ハンクス主演の映画‘キャスト・アウェイ’の映画が撮影されたことで‘キャスト・アウェイ島’という名でよく知られています。最高点の標高が177メートル、広さがわずか45ヘクタールのこの島はオナガミズナギドリの繁殖地です。ところがこの小さな島をサイクロンが横断してしまったのです。

サイクロンが襲った時、ミズナギドリの繁殖期は終わりにさし掛かっていました。同島はフィジーで絶滅が危惧されているハヤブサの繁殖個体群とタテガミイグアナの生息地でもあります。2012年にはバードライフと地元コミュニティがヤギとネズミを駆除しました。

ヤヌヤ村に住んでいるVunaivi部族は昔からモヌリキ島の所有者です。彼らは2011年以後バードライフやNatureFiji/MareqetiVitiなどの支援により陸生種のモニタリングと、外来種の管理プログラムを行っていました。彼らはネズミとヤギの駆除に続いてモニタリング・プログラムを実施し、持続可能な生計手段を探っています。

ヤヌヤ村の村長でモヌリキ・サイト支援グループのメンバーでもあるAkuila Latiは、「サイクロンが襲来した後、村人の多くは村のホールで寝泊まりをし、一部は野外で過ごしています。今のところ他の何よりも必要だった最も重要な水は得られています。食糧は現在政府から提供されていますので、今必要なのは子供たちを学校に通わせることです。いくつかの教室は教育資材と一緒にまるごとハリケーンで吹き飛ばされてしまったのです。今最優先に必要なのは学校を立て直すよりも先に子供たちを学校に行かせることです。」と言いました。

モヌリキ島の植生は大打撃を受けました。バードライフとそのパートナー団体は島の損害を査定するためにチームを派遣する予定で、固有種のタテガミイグアナの夜間調査も行います。

多くの人たちにとって気候変動はまだ将来の脅威で、話をしたり議論をするのに格好な話題です。けれども太平洋の島々の住民にとっては前例のない嵐や海面上昇にみまわれており、現実の出来事になって来ています。これほど多くの鳥や他の生物が生き残りに必死になっているのですから、捕食者の管理と、環境再生の緊急性はあまりにも明白です。自分たちの自然の宝を守るために献身しているコミュニティ自体を支援することも同様です。これは私たち全員が果たすべき責任です。

 

報告者: Sialesi Rasalato

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