2016年には今まで謎だったフィジーミズナギドリとソロモンミズナギドリの営巣地が発見できるか?

フィジーミズナギドリとソロモンミズナギドリを守るための
鍵になると思われるニュージーランドコアシナガウミツバメを
海上で捕獲しているNeil Fitzgerald と Chris Gaskin。
写真提供: Martin Berg

一度絶滅したと思われ、後に再発見された種は何処においても人々の想像力を掻き立てます。発見はニュースとなり、そして祝福されます。失われた種が‘発見’されれば、絶滅種ではなく今後は現生種として認められるだろうと大いに期待されます。

けれどもほとんどの‘絶滅したと考えられていた種は非常に数が少なく、絶滅のおそれがあるために、今後も生存できるかは確実なことではありません。そしてそもそも絶滅しかけた原因である生息地への脅威や捕食者から彼らを守るための保護活動が行われない限り、再発見は、彼らが永遠に姿を消す前の一瞬の出来事に過ぎないのかも知れません。ほとんどの海鳥にとって最も危険なのは営巣、抱卵、育雛のために陸地に居る時です。従って、これらの絶滅したと考えられていた鳥が正確に何処で営巣しているのかを知ることが、彼らの未来を確保する上で必要不可欠なのです。

ソロモンミズナギドリは太平洋で絶滅したと考えられていた海鳥の一種です。最初の発見と記録以後75年間見つからず、2007年にパプアニューギニア沖のニューブリテン島とニューアイルランド島で見つけられただけです。ソロモンミズナギドリのニューアイルランド南部での再発見の報は増えましたが、正確に何処で繁殖しているのかは全く分からず、探索すべきエリアも広大です。本種は絶滅危惧ⅠA類です。

フィジーミズナギドリも‘絶滅したと考えられていた後、再発見された’鳥で、絶滅危惧ⅠA類の種です。幾つかの僅かな不明確な観察を除いては100年以上見失われていましたが1984年に1羽が捕獲されて再発見されました。現在50ペア以下が生存しており、フィジーのガウ島の岩の多い森林内52平方キロメートルで繁殖していると考えられていますが、営巣地については今後確認されなければなりません。現在生息するフィジーミズナギドリの僅かな個体群は減少していると考えなければならないでしょう。ナンヨウネズミと同様ネコが稜線の高い場所に居ることが分かっています。ドブネズミとクマネズミも島に居ますがその分布は不明です。野生ブタも主な脅威です。けれども巣の場所が分かるまでは、残っている巣を守り、や、本種の復活に向けての実質的な保護対策に乗り出すことも始められません。本種を絶滅から救うためには、営巣場所の発見が最も重要であり、早急な保護活動が求められます。バードライフは2016年を、この両種に安全な未来を与える年にしたいと思っています。

CEPF(クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金)からの助成金を受けて、私たちはソロモンミズナギドリの営巣地を見つける調査旅行を計画しています。地理的エリアを狭めることで、このプロジェクトは、他のオセアニアの海鳥の営巣地の位置を調べる最近開発された技術を用いて、沖合で本種を捕獲することを目的とするでしょう。本プロジェクトの目標は、小さな衛星追跡機を海鳥に取り付け、集団繁殖地まで追跡することです。この調査の後に詳細な陸上での調査(VHF送信機の助けを受けて)が可能となり、最終的にはコロニーをピン・ポイントで見つけ出し、陸上での保護活動もまた可能となるでしょう。大変野心的なプロジェクトですので、私たちはさらなるスポンサーと支援者を急いで探しているところです。

最初に必要なのはより多くの衛星追跡装置と船をチャーターするための支払いへの寄付です。

フィジーミズナギドリの調査はさらに急を要し、これは恐らく最後の機会となるでしょう。別の調査も既に行われ進行中です。ガウ島では2頭のニュージーランドで訓練されたミズナギドリ捜査犬が動員され、同島にカワリヒメシロハラミズナギドリが居ることで、探索チームは希少なフィジーミズナギドリに影響を与えることなく経験を積むことができるでしょう。けれどもフィジーミズナギドリの発見は多くの課題を抱えており、経験豊富な海鳥研究者のさらなる支援、ミズナギドリ捜査犬を助ける一連の技術の適用、さらなる営巣地発見の機会などが求められます。最近コアシナガウミツバメやChatham Island Taiko(和名不詳)など、絶滅したと思われていた海鳥を含む他のミズナギドリ、ウミツバメ類の巣の場所を特定できました。フィジーミズナギドリは衛星追跡技術を使うのには小さすぎますが、もし海で何羽か捕獲できれば、陸上でテレメトリー付きラジオ送信機を使って正確な場所を特定する助けになります。けれどもこの作業は容易ではなく長期的な調査になり、鳥が夕暮れ時に集まるガウ島周辺の海か、陸上でスポットライトを用いて数ヶ月研究しなければならなくなるでしょう。

チームを統括することがこの活動の成否の鍵であり、これは本当にワクワクする挑戦です。成功の保証はありませんが、もし失敗すればこの絶滅からの復活を象徴する鳥は永久に失われるでしょう。

 

報告者: Mike Britton

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