英国チャールズ皇太子が絶滅危惧種アホウドリ類の保護が世界各地で成功していることをお聞きになったことにより期待が高まっている
今夜ロンドンの漁業者ホールで開催されるイベントで、英国チャールズ皇太子は南アフリカでの漁で偶発的に絶滅するところだった世界的な絶滅危惧種アホウドリ類の99%が共同活動の成功により救われたという話をお聞きになる予定です。
世界に生息するアホウドリ類22種のうちの15種が絶滅の脅威を受けており、この偉大な海の放浪者の減少の陰には底引き網漁と延縄漁による混獲の影響があり、特に南洋周辺でこれが顕著です。チャールズ皇太子はこの象徴的な海鳥の保護に個人的に強い関心をお持ちでした。
アホウドリ・タスクフォース[海洋プログラムのためにRSPB(王立鳥類保護協会: 英国のバードライフ・パートナー)が運営する海上でのインストラクターのチームで、2005年にチャールズ皇太子の発起で始められた]と産業界および政府の努力のお蔭で、南アフリカでのメルルーサ(タラの仲間の海水魚)底引き網漁による混獲で殺されるアホウドリの数を99%も減らしました。アホウドリ・タスクフォース(当初は南アフリカで開始され、現在では7カ国で行われている)の活動原則は、漁獲作業により漁網や釣り糸に絡まったり傷ついたりする海鳥の数を減らす方法を、実際に海上で漁師と共同で見つけるインストラクターのチームを利用することです。このような漁法での簡単な技術は、海鳥が近づかないように無害な吹き流し付きの釣り糸を使うことにより、釣り餌を食べようとする海鳥を危険な漁具やケーブルから離れるように脅す効果がありました。
近年、深海での底引き網漁が海鳥の偶発的な死の主因であることが明らかになりました。この漁法では重いケーブルにより海中に留まる巨大な漁網を使って海底に生息する魚を捕えます。数千羽の海鳥、特にアホウドリ類とミズナギドリ類が、漁船から不要な魚が捨てられるときに集まって来ます。このような廃棄された魚を食べている時に海鳥はケーブルに巻き込まれやすい状態になり、水中に引き込まれ溺死するのです。
「私たちは2000年代の初めから海鳥の混獲を避けることはビジネスにも環境にも良いということを示すために漁業関係者と緊密に活動を行って来ました。正しい道具があればこれはむしろ簡単なのです。」とバードライフ・南アフリカのアホウドリ・タスクフォースのリーダーBronwyn Mareeは言いました。「‘鳥脅し釣り糸(通称トリポール)’は今や海では当たり前のことになり、漁師はもうその利用に反対はしなくなりました。」
チャールズ皇太子はこれまでのタスクフォースと水産業の成功を祝い、世界中の漁船団がアホウドリ類以外の海鳥の個体群も保護するためにこのような成功事例の再現を希望される旨を表明される予定です。
今日のイベントは‘国際持続可能性ユニット’(チャールズ皇太子が2010年に主要な環境問題をどのように解決するかのコンセンサスを容易にするために設立された団体)とRSPBにより開催されました。
RSPBの事務総長マイク・クラーク博士は言いました。「英国は海鳥に対して大きな国際的責任を持っています。何故なら、フォークランド諸島、サウスジョージア島、トリスタン・ダ・クーニャ島などの英国の海外領土には世界のアホウドリ類の3分の1以上が繁殖しています。私たちがアホウドリ・タスクフォースの立ち上げを助けた時には、そのことは私たちが世界のアホウドリ類の何種かが絶滅に向かっているのを防ぐという大きな課題に直面することだというのが分かっていました。チャールズ皇太子による変わらぬご支援と、世界で最も厳しい気象条件の下でのチーム・メンバーの献身的努力により、アホウドリ類の個体数の前途は今や明るいものになっています。」
(報告者:マーチン・フォーリー)