コウテイペンギンが気候変動の影響を受け絶滅危惧種に指定
世界の鳥類の絶滅リスクを評価する公式機関であるBirdLife International(以下BirdLife)は、すべての鳥種について定期的に再評価を行っています。
BirdLifeの科学者は、IUCN SSC Penguin Specialist Groupと協力し、コウテイペンギンを再評価しました。この南極の象徴的な種は、2026年4月9日、IUCN Red List of Threatened Speciesにおいて「準絶滅危惧(Near Threatened)」から「絶滅危惧(Endangered)」へと引き上げられました。
コウテイペンギンの減少の主因は気候変動です。海氷の減少と不安定化により、2080年代までに個体数が半減すると予測されています。
今回の再評価を取りまとめたRob Martinは次のように述べています。
「今回の引き上げは、気候変動の影響が最も遠隔な地域にまで及んでいることを示す深刻な警告です。今世紀を通じて大幅な個体数減少が予測されています。」
コウテイペンギンは、繁殖・換羽・採餌のすべてにおいて南極の環境に完全に依存しています。しかし、氷の形成パターンが不安定になり、生息地が減少する中で、生き延びることはますます難しくなっています。
衛星データによると、2009年から2018年の間に約10%、2万羽以上の成鳥が減少しました。主因は海氷の早期崩壊で、特に2016年以降は過去最低レベルとなっています。
ヒナは「定着氷(海岸や海底、氷山に固定された海氷)」の上で育ち、換羽期にもこの氷が不可欠です。氷が早期に崩れると、致命的な影響を受けます。
実際に、ヒナが泳げるようになる前にコロニーが海へ崩壊する事例も確認されています。個別事例だけで全体傾向を判断するのは難しいものの、将来予測モデルは、温室効果ガス排出が大幅に削減されない限り、今世紀を通じて急速な減少が続くことを示しています。

南極のスノーヒル・コウテイペンギンコロニーで、ヒナに餌を与えるコウテイペンギン。© Robert Mcgillivray, Shutterstock
各国政府には、2026年5月に広島で開催される南極条約協議国会議(第48回)で行動を起こす機会があります。BirdLifeはレッドリスト評価を通じて政策決定に貢献しています。
BirdLifeのCEOであるMartin Harperは次のように述べています。
「今回の評価は、気候変動が絶滅危機を加速させていることを示す明確な警告です。各国政府は今すぐ行動し、コウテイペンギンを南極特別保護種に指定すべきです。」
この指定により、生息地や個体への直接的な影響を防ぐ法的義務が各国に課されます。
鳥は地球の状態を示す「羅針盤」です。コウテイペンギンは、脱炭素化を進めなければ南極の未来がいかに厳しくなるかを私たちに示しています。
原文 (本文を一部編集しました)

