ワシントン条約 COP20で鳥類保全に大きな成果
~アフリカのサイチョウ、ハゲワシ、ソングバード~

南アフリカのクルーガー国立公園で撮影されたコシジロハゲワシ(White-backed Vulture)© Paco Como

ワシントン条約(CITES)第20回締約国会議(COP20)が、ウズベキスタンのサマルカンドで開催され、鳥類保全と野生生物取引管理において重要な成果を上げました。

会議には、BirdLife International(以下BirdLife)のグローバルチームに加え、ナイジェリア自然保護財団、Haribon財団、Burung Indonesia、カザフスタン生物多様性保全協会(ACBK)、Pronatura Noroesteといった私たちのパートナー団体も参加しました。

本会議では、アフリカのサイチョウ、ハゲワシ、ソングバードを中心に、科学的根拠に基づく規制強化が合意され、国際取引による脅威への対応が前進しました。

クロコブサイチョウ(Black-casqued Hornbill)
© Ondrej Prosicky

  • アフリカのサイチョウ

9種のサイチョウを含む2属が附属書Ⅱへの掲載が全会一致で合意され、国際取引の監視が強化されました。この結果は、鳥類の長期的保全に向けた歴史的な決定であり、1990年代以降、附属書Ⅱに掲載されてきたアジアの近縁種との保全水準の均衡が図られたことも重要な点です。

  • ハゲワシ

コシジロハゲワシ(White-backed Vulture)とリュッペルハゲワシ(Rüppell’s Vulture)が附属書Ⅱから附属書Ⅰへ格上げされ、国際的な商業取引が事実上禁止となりました。生態系において重要な役割を担うハゲワシ類が絶滅の危機に瀕している状況を受けた措置であり、今後、他の絶滅危惧種についても同様の検討が期待されています。

  • ソングバード

ソングバードの持続不可能な取引は、世界各地で発生しており、緊急かつ国際的な対応が求められています。BirdLifeは、これまでに一貫して、ソングバードがCITESにおいて過小評価されていること、取引に関する監視とデータ収集の改善が必要であることを指摘してきました。本会議では、ソングバードについて、今後もCITESで議論し取組を継続していくことで合意がなされました。

ハシブトコメワリ(Great-billed Seed-finch)
© Tini & Jacob Wijpkema

2週間にわたる会議中、BirdLifeは5つのサイドイベントに参加しました。その内2つのイベント「CITESと地域の声」「アフリカのハゲワシ取引」を主催し、BirdLifeとパートナー団体の取組を発信する貴重な機会となりました。

BirdLifeアジア地域ディレクターのVinayagan Dharmarajah氏が「アフリカのハゲワシ取引」サイドイベントで発表
© BirdLife International

COP20の成果は、アフリカのサイチョウ、ハゲワシ、ソングバードにとって大きな前進となり、今後3年間にわたる国際取引対策への道筋を示しました。私たちは、締約国によるCITESの実施を引き続き支援するとともに、パートナー団体と地域コミュニティが主導する現地の保全活動を通じて、国際取引から鳥類を守る取組を続けていきます。そして、次回の会議では、さらに多くの「鳥類の勝利」を実現できると信じています。

原文 Big wins for African hornbills, vultures and songbirds at CITES CoP20! – BirdLife International

(本文を一部編集しました)

  1. TOP
  2. 世界のニュース
  3. ワシントン条約 COP20で鳥類保全に大きな成果
    ~アフリカのサイチョウ、ハゲワシ、ソングバード~