NABUが渡りを行うワシの問題となる場所を見つけるために追跡調査を行っている
ドイツを離れた12羽のアシナガワシがアフリカへの秋の渡りに余分な荷物を背負っています。NABU(ドイツのパートナー)により装着された軽量の人工衛星測位システム装置(GPS)です。
世界的にはアシナガワシは絶滅危惧種とは考えられていませんが、ドイツにおける個体数はおよそ100ペアに減っており、今もなお減り続けています。アシナガワシの学名は‘ポメラニアン・イーグル’という意味ですが、西メクレンベルグのポメラニアは今でもドイツにおけるこの鳥の生息地です。
NABUはこのワシのために、繁殖地と採餌地を保全し、その繁殖テリトリー周辺の土地を購入するなどの活動を行って来ました。しかしながら、渡りを行う個体はハンターや毒殺の危険があり、多くの若鳥が繁殖年齢に達する前に殺されます。
重量30グラムの背中に負う発信機によりNABUは、人工衛星から地上の基地への信号と、新しく開発された位置情報を携帯電話ネットワークで送るという二つの方法で渡りのルートを追跡することが出来ます。渡りのルートがはっきり分かりトラブル発生の可能性のある場所が特定されれば、アシナガワシの保護活動を始めることが出来ます。
一つの目的達成手段は‘移動性野生動物種条約(CMS)’の‘アフリカ・ユーラシアの渡り性猛禽類保護’に関する覚書で、現在45カ国が署名をしています。バードライフはこの覚書の協力パートナーの一つで、署名者でもあります。この覚書の目的は‘アフリカ・ユーラシアの全地域において渡り性猛禽類の好ましい保護状態を達成、維持するための国際協力活動を推進し、望ましい時および場所でその減少を反転させることです’。