崩壊していく私たちの森林

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今現在もアマゾンの熱帯雨林を破壊し続けている山火事の衝撃的なニュースについては、ご存知のことでしょう。これは、かつて機能していた森林保全法が急速に機能しなくなった結果です。アマゾンの生態系は貴重で、地球全体の気候を調節しているだけでなく、地球上の他のどこにも生息していない希少で特別な生物たちの「家」でもあります。

世界的な自然保護団体としてバードライフは、このままこの山火事を放っておくことはできません。唯一の解決策は、地元の保全活動を支援し、森林を永久に守る新しい国際的な政策を構築するため、より多くの団体が協働していくことです。これこそバードライフが、南米の48NGOと力を合わせて、ブラジル、ボリビア、パラグアイ政府による迅速で、持続的な行動を求める理由です。以下は、2019年8月24日に発表した私たちのマニフェストです。

現在、南米で起こっている環境危機は、世界的に重要な生態系に対して、深刻かつ取り返しのつかない影響を与える持続不可能な環境政策による結果です。そこで私たちは、持続可能な開発、生物多様性の保全、人権の保護を促進する市民社会団体として、ブラジル、ボリビア、パラグアイなどの山火事の影響を受ける国々のリーダーや、アマゾン川流域とラプラタ川流域のその他の国々および国際コミュニティに対して、今アマゾン、熱帯乾燥林およびパンタナールで起きている自然災害を前にして、直ちに行動を起こすべきであるとの注意を呼び掛けています。

バードライフは、「山火事の影響を受けている生態系は、世界中の人々に気候変動の緩和、水や食料など生態系サービスの提供に貢献しており、人類にとってかけがえのない自然遺産である」と世界に宣言します。これらの生態系は、少なくとも400人もの先住民や3,400万人の地域住民の生活の場でもあります。約670万平方キロにおよぶアマゾンは世界最大の熱帯雨林で、地球上の生物多様性の少なくとも10%に相当します。これに独自の特性やチキターノ乾燥森林、グラン・チャコ地方および世界最大の湿地パンタナールなどの周辺地域を加えると、大陸部の広大な地域への影響について述べていることになります。

バードライフには、国際社会に対して「この山火事は限定された地域に影響を及ぼすだけでなく、世界の気候に直接影響を与える」、と伝える義務があります。また、政府当局には、持続可能な開発を達成するための前提条件として、健全な環境を効果的に守りつつ、開発と市民の幸福を確保するという大きな責任があります。現在ブラジルとボリビアで行われている政策は、アマゾン川流域とパラグアイーラプラタ川流域における森林伐採を加速させる農業開拓の拡大を推進しています。これを地球の気候状況に加味すると、それがこの地域の歴史的な山火事の原因になっているのです。

この山火事は、ボリビアだけで約100万ヘクタールに影響を与えています。またブラジルでは、山火事の火元は7万ヶ所以上に及んでおり、これは2018年の同時期と比べ83%の増加です。失われた森林1ヘクタールは、年間625立方ミリメートルの水に影響していると思われます。汚染された雲や大気中に放出された二酸化炭素のレベルについては、言うまでもありません。このような事実から私たちは、世界の数百万人の市民の声を集め、私たちのリーダー達に以下のことを嘆願します。

 

1. ブラジル、ボリビア、パラグアイ政府は、領域内で生じている山火事を直ちに制御するための国際的支援を利用すべきである。これは山火事の拡大と影響の継続を防ぐための緊急対応である。

2.環境被害と公衆衛生を再建するために、事後措置を取るべきである。緊急課題は当該地域の住民への医療支援である。また、獣医による支援と野生動物の救出、水資源への現在の損害の評価と改善、アマゾン川流域における灰汚染の防止、管理方法の強化と影響を受けた保護区の再建などが急務である。

3.ブラジル、ボリビア、パラグアイおよびアルゼンチン政府は、森林伐採と持続不可能な生産方法を奨励する現在の政策を見直すこと。私たちは各国政府に対して、奨励と政策は、生産のためにより良い技術の実施をもたらす その土地の潜在性に合った土地利用を対象にすることを求める。また、劣化した土地の復元、生産に適した土壌の生産性向上のための調査とモニタリングを求めるものである。一方、奨励すべきは森林の持続性を促進し、効果的な管理方法と官僚制を最小限に抑えることによる、持続可能な利用を推進するものでなければならない。

 

報告者:BirdLife International

 

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