インド洋南部に広大な海洋保護区の設定が発表された
海洋保護区(MPA)の利用は、政府が海洋を保全し、領海の持続可能な利用を確実にするために用いることのできる中核的な政策の一つです。バードライフ南アフリカは同国の環境問題局が発表した南アフリカの亜南極地方のプリンス・エドワード諸島を巨大なMPAとすることを称賛しています。バードライフはこのMPAを定め、宣言する作業に関わった同局の公務員と個別の科学者および他の人々に祝辞を述べます。このMPAは広さがおよそ1,800万ヘクタールに及ぶもので、世界最大のMPAの一つです。
海鳥にとって世界で最も重要な地域の多くは保護されていない状態です。ですから、プリンス・エドワード諸島MPAのニュースは南半球における海鳥にとっての“王冠用宝石”の一つが保護されるので大歓迎です。「このMPAは島が支えている巨大な海鳥のコロニーにとって多くの重要な餌場を含んでいます。」とバードライフの海洋IBAプログラム担当のベン・ラッセルは言いました。
「このサイトはバードライフの新しい海洋版電子地図で海鳥保護の優先地域に指定されていました。この電子地図は政府がこのような重要な決定をするために必要とするデータを提供するためにデザインされています。電子地図にあるサイトの保護は、2020年までに海洋と沿岸地域の10%を保全するという生物多様性条約(CBD)での合意目標を達成する助けとなるでしょう。
海洋版電子地図を探査しよう
プリンス・エドワード諸島は世界のワタリアホウドリのおよそ半数、オウサマペンギンの13%、そして26種もの海鳥が繁殖する世界で例のない場所の一つです。バードライフはこの島が他に代えがたい生物多様性の価値を持つことを認識して、同島をIBA(重要生息環境)のリストに加えています。バードライフは世界中の海に海洋性IBAを設定するための作業を進めていますが、新しいMPAは幾つかの海洋性IBAの提案と重なっています。複数のゾーンに跨るMPAの設定により多くの海鳥と他の海洋生物を保護することが出来るでしょう。例えば、島の周辺12海里を禁漁区にすることにより、ジェンツーペンギンやスグロムナジロヒメウのクロゼット島の亜種などの海鳥を守るでしょう。これらの種はこの地域でのみ採餌し近年大幅に個体数が減少していますが、今後は採餌場での新たな活動によって圧力を受けることがなくなるでしょう。
バードライフ南アフリカの海鳥部門のマネージャー ロス・ウォンレス博士は「この宣言は多くの献身的な科学者と自然保護活動家の何年にもわたる多くの活動が頂点に達したことを意味します。海洋保護区(MPA)は海鳥や他の海の生物多様性を守る大きな可能性を持っており、プリンス・エドワード諸島MPAはその規模と本質が感動的です。」と言いました。
報告者:BirdLife.SA