世界の驚きの巣8選
鳥の巣といえば、多くの人は木の枝や葉で作られたお椀状の形を想像するでしょう。けれども鳥の営巣行動はその求愛行動と同じくらい多様なのです。
鳥は雛を危険から守るために信じられないほど様々な巣を作ります。辛抱強く何カ月も掛けてサボテンに穴をあける砂漠のキツツキや、泥で作った巣が太陽に焼かれ固くなるまで待つその名も「カマドドリ」など、驚きのデザインは鳥が才能と機略のの持ち主であることを証明しています。今回は、驚くべき巣を作る8種の鳥をご紹介します。
技能の達人
ハタオリドリ科の鳥は、種によって大きさ、形、素材が異なる精巧な巣を作る能力に因んで、その名が付けられています。キムネコウヨウジャク(写真)は水面上に出ているトゲのある木やヤシの木を選んで、草の葉をひょうたん型の巣に編みます。大きさはサッカーボールほどになることもあります。彼らは社会性のある種で、単独の巣は好みません。通常は最大で60ペアが一本の木に営巣しますが、時には200ペア以上が集まることもあります。東南アジアからインド亜大陸にかけて生息しますが、その繁殖期はモンスーンの時期と一致します。ですから研究者は、巣の位置が木の東側にあることが多いのは、大雨から巣を守るためだと考えています。
几帳面
この北米に生息するハチドリは主に植物の繊維、ふわふわした羽毛、動物の毛を使い、これをクモの糸でつなぎ合わせて木や藪の中に小さくて豪華な巣を作ります。巣の外側はカモフラージュのために植物の残骸や、コケ、地衣類などで飾ります。巣の大きさは直径3.8~5.1cmでおおよそ小さなエスプレッソ用のカップほどで、そこにコーヒー豆程度の大きさの卵を2個産みます。
質実剛健
巣を作るのに草や枝、泥を集めるのはきつい作業です。ならば木の枝の上に直接卵を産んでしまえばどうでしょう?ミニマリストであるシロアジサシは、巣を作るのに文字通り何も使いません。木の枝のこぶや湾曲部分があれば、卵1個を抱卵するのに十分です。科学者はこの習性は多種の巣への寄生行為から進化したものと考えています。
パン職人
営巣の際の習性から「カマドドリ」として知られるこの南米の鳥は、泥と糞を集め、木の枝の上に積み上げて太陽光で乾燥させます。次に古い薪オーブンのようなドーム状の巣を辛抱強く築き上げます。
強迫観念
このアフリカの鳥は、繁殖をするかしないかにかかわらず、毎年数カ月かけて3個から5個のとてつもなく巨大な巣を作ります。巣の大きさは高さと幅が2メートル、重さは50kgにもなります。
リサイクル業者
多くのフクロウ類は古くて状態の良いビンテージ物の家を好みます。アメリカ大陸全土で普通に見られるアメリカワシミミズクも、タカや、ワタリガラス、時にはリスなど様々な動物の古い巣を再利用します。リサイクル万歳!
薄っぺら
このサハラ砂漠以南のアフリカに生息する水鳥は、1シーズンに数個の巣を作りますが、産卵には1つだけ使い、残りは予備に残しておきます。巣は植物の茎でできた浮巣で、あまりにも水のそばに産むので卵が沈んでしまうことがあります。幸いにも、彼らの卵は防水なので、親鳥はその卵を予備の巣に移動させるだけで良いのです。
プランナー
この北米の鳥の営巣には計画性が必要です。繁殖期よりも数か月前にサボテンに穴をあけ、そこを使う前に乾燥するのを待たねばならないからです。「ブーツ」と呼ばれるサボテンに作られた空洞は卵にとって安全かつ涼しい場所なのです。
報告者: Irene Lorenzo