バードライフ・パートナーシップがブータンに拡大

ドチュラ峠、ブータン
写真提供: © Göran Höglund

世界最大の自然保護パートナーシップであるバードライフ・インターナショナルが新たなパートナーを迎えました。魅力的で生物多様性の豊かな国ブータンのRSPN(王立自然保護協会)です。

土地の言葉でDruk Yul(‘雷竜の土地’の意味)で知られるこの小さな国は中国とインドを隔てる山地にあり、要塞のような修道院、古くからのしきたり、素晴らしい光景で有名です。ブータンは自然遺産の保全を積極的に行っており、長く伝わる伝統が景観を守り、憲法により永代にわたって国土の少なくとも60%は森林として残さなければなりません。現在この率は70%を超えています。

森林被覆のお陰でブータンは世界で唯一の炭素排出がマイナスの国で、森林が排出量以上以上の二酸化炭素を吸収しています。それでもなお、ブータンは何種かの世界的絶滅危惧種の生息地であり、RSPNはそれらを守るために重要な活動を行っています。

1987年に設立されたRSPNは122番目のバードライフ・パートナーになります。ブータンで最大の自然保護NGOとしてRSPNは先駆的な生物多様性と環境の保全と持続可能な開発に尽力しています。強い信頼性を誇りとし、国内外での知名度を活かして活動し、RSPNは2010年にその保護活動と国内における大きな影響により栄誉あるマッカーサー財団の賞を受けました。

人口100万人以下でありながら600人の会員を有するRSPNはバードライフ・パートナーシップでも確固たる立場を築いています。保全や、教育、生計改善、調査などの活動を実施、支援するため、RSPNは国内各所に野外オフィスを持っています。

RSPNは11月にスリランカで行われたバードライフの世界委員会で正式なバードライフ・パートナーの承認を得ました。「バードライフのアジア・パートナーシップはアジアの自然と人々のためにRSPNと緊密に共同活動が出来ることにワクワクしています。」とバードライフのアジア委員会の会長Sarath Kotagama会長は言いました。

「ブータンの人々の環境とともに生きる自然の生活様式が自然保護に貢献していることは確かですが、野生生物への脅威がないわけではありません。これがブータンにもバードライフ・パートナーが必要な理由です。」とバードライフのパートナーシップ・地域ディレクターのHazell Thompson博士は付言します。「バードライフ・パートナーシップにようこそ。」

シロハラサギ
写真提供: © 2016 RSPN Bhutan

ブータンは面積38,394平方キロメートルの小さな内陸地の国で、東ヒマラヤ山脈の南のスロープにあり世界の2大人口国の間に位置しています。北には中国、東西と南はインドです。東ヒマラヤ生物多様性ホットスポットの一部です。

「遂にバードライフのメンバーになれたことはRSPNにとって本当に大きな喜びです。私たちがすべきことはまだたくさんあります。時代が、私たち全員が一つになり、より大きな目的のために共に活動することを求めているのです。」とRSPNの会長Kinley Tenzin博士は言いました。

ブータンには23のIBAがあり、8つのエコリージョン、多数の植物重要エリア、1,226ヘクタールに及ぶ3つのラムサール・サイトなどの湿地があります。多様な生態系と植生帯により、ブータンはユキヒョウやキガシラウミワシなど多様な動植物の生息地になっているのです。

生物多様性全般の保全は保護区のネットワークにより確保されていますが、種に特化した保護計画はシロハラサギオグロヅルなど数種に限られています。

RSPNは国内外における重要性からこれらの種の保護に積極的に関わっています。ブータンは地球上で種の密度で世界の上位10%にランクされ、国土に占める保護区の割合と森林被覆の割合がアジアで最も高い国です。ですからブータンはその生物多様性を無傷のままで維持する機会のある数少ない国のひとつなのです。

最も新しいバードライフ・ファミリーのメンバーとして、RSPNにおめでとう、そして、ようこそ。

 

報告者: Rosa Gleave

 

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