自然保護の重大なサミット:膠着状態を回避せよ
「位置に付いて、よーい、ドン」: 第13回生物多様性条約締結国会議(CBD-COP13)がメキシコのカンクンで始まります。議題は?世界の種とその生息地の将来に他なりません。
これからの15日間、各国政府は様々な問題に対処するための国際的な政策について議論します。議題には、保護区の創設と管理、海洋の保全、劣化した環境の復元、そして、もちろんこれらの活動を促進させるのに必要な資金の調達などがあります。
しかし今回、皆が見て見ぬふりをしているのは経済問題でしょう。世界はまだこれからも開発と自然保護を調整する道を探さなければならないのです。政策通はそれを「生物多様性の主流化」と呼びます。即ち、生物多様性の価値が生産部門で考慮されるようにすることです。
そうした流れを生み出すために、環境、漁業、農業、林業および観光業の各省庁の大臣は本会議(12月2日・3日)に先立って会合を行い、生産活動が自然に及ぼす影響を軽減し、自然保護と開発がウィン・ウィンの関係になるような施策について合意形成を目指します。様々な部門の大臣が生物多様性保全について話し合うために世界中から集まるのは初めてのことで、これ自体が良いニュースなのです。
2010年、196の国々は、2020年を期限とする生物多様性保全のための20の世界的目標を定めました(いわゆる「愛知ターゲット」)。残り4年となった今、これまでの評価では各国が約束の達成するには程遠い状態にあることが示されています。農業は大量の汚染物質で環境を汚染し、河川を汚染し、農作物を受粉させる昆虫を殺しています。漁業は数万羽の海鳥を殺しています。政府も、自然を破壊する持続不能な生産に対して補助金として数百万ドルを支出しています。世界中の自然保護団体が、これほど多くの約束がありながらほとんど行動のない現状に失望するのも仕方ありません。
もちろんバードライフもこの会議に出席し、持続可能な生産に関して各国がより強い誓約を交わすよう働きかけます。また、牧畜業、エネルギー生産、漁業あるいは農業における政策と実際の取り組みにおいて成功を収めた、民間及び政府との様々な事例を紹介します。
「草原連合」はその一例です。南米の農家が「草原にも鳥にも優しい牛肉」を生産しており、既にヨーロッパに輸出もしています。これは私達のグッドプラクティスのほんの一例です。税制上の優遇処置もこのプロジェクトにおいて重要な役割を担っています。
私たちのメッセージ: COPの期間中、私たちは各国に国際的な公的決議の数を減らし、実際の行動に移るように求めます。言い換えれば、少し会話を減らしてもう少し多くの(あるいはずっと多くの)行動を、ということです。
報告者: Carolina Hazin