ブータンのパートナー団体RSPNおよび活動地のポプジカ谷を訪問

バードライフ・インターナショナル東京は、経団連自然保護基金(KNCF)の創設25周年特別基金の支援を受け、ブータン、カンボジア、ベトナムのパートナー団体と共同で「SATO YAMA UMI プロジェクト*」を実施しています。

ブータンのパートナー団体であるRoyal Society for Protection of Nature (RSPN)では、ポプジカ谷におけるオグロヅルと地域住民の共生と題し、地域住民に対するオグロヅル保全のための啓発ツール作成や、若手スタッフの育成、地域住民と連携した保全活動を促進しています。

このたび、活動状況の確認と今後の取組についての情報交換のため、3月末に当団体の職員が現地を視察してきましたので、ご報告いたします。活動地のポプジカ谷や現地パートナー団体のRSPNを少しでも身近に感じて頂き、彼らの活動を応援して頂きたいと思います。

 

*「SATO YAMA UMI プロジェクト」は、日本環境教育フォーラム、バードライフ、コンサベーション・インターナショナルと共同で実施しているプロジェクトです。

 

1.王立自然保護協会(RSPN)

RSPNは、1987年に先駆的な生物多様性と環境の保全および持続可能な開発を目的に設立されたブータン最大の自然保護団体です。

RSPNに関する詳細はこちら

 

2.ポプジカ谷の学校訪問

RSPN、日本環境教育フォーラムと共に環境教育プログラムを実施しているポプジカにある二つの学校を訪問し、授業やネイチャークラブの活動を視察しました。1校目ポプジカ・セントラル・スクールでは、高校1年生の授業を見学しました。テキストの内容はとても難しいと感じましたが、例題は家畜や放牧など身近な話題が盛り込まれており、生徒も理解できているようでした。

高校1年生の授業風景

2校目はBayta コミュニティー小学校で、ネイチャークラブの活動を見学しました。週1回20人ほどの生徒が2人の先生の指導のもと、水路の清掃やゴミの分別、花壇や畑作りなど様々な活動を通して自然環境について学んでいます。今後はRSPNの指導のもと、オグロヅルの保全等に関する知識を高められるような活動も増やしていくそうです。

ネイチャークラブの生徒たちと一緒に記念撮影

 

3.オグロヅル・ビジターセンター

RSPNが運営するビジターセンターは、冬にポプジカ谷に飛来してくるオグロヅルの保全を目的に2001年に設立されました。設立以降国内外から多くの観光客が訪れ、昨年度は15,000人の観光客が訪れたそうです。館内には、オグロヅルに関する様々な展示があり、オグロヅルの生態や保全に関する映像を鑑賞できるシアターも取り揃えています。

ビジターセンター前にて。現在飼育数が減少しているポプジカ谷で伝統的に家畜として飼われてきた羊(Jakar sheep)とポプジカ谷のシンボルであるオグロヅル保全のために、地域住民が羊の毛で作り、センターで販売しているオグロヅルのぬいぐるみ。

また、2年前から傷ついた幼鳥を、保護してくれた地元住民の名前を譲り受けた「Karma」を保護し、飼育しています。センターに常駐しているRSPNの職員であるサンタは、できるだけ多くのビジターにオグロヅルの事やポプジカ谷の豊かな自然を知ってもらい、地域住民と共にツルを保護していくため日々試行錯誤を重ねています。

保護された「Karma」の飼育施設の前で。真ん中がビジターセンター常駐スタッフのサンタ

 

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