アフリカ各国政府が野生生物の毒殺防止を約束

‘健康なハゲワシ’と‘健康な人’
写真提供: © Kevin Penhallow, Valeriya Anufriyeva; Shutterstock

アフリカ大陸の絶滅が危惧されるハゲワシの苦境と、それが人々にとってどのような意味があるかを知って、アフリカ各国の大臣が先週ナイロビで開催された国連環境会議でバードライフのハゲワシ・キャンペーンへの支援を表明しました。この動きは野生生物犯罪と取引に関する新たな決議の承認によりさらに盤石なものとなり、アフリカ各国政府はハゲワシの毒殺を阻止するための行動に乗り出すことになります。

 ‘毒’という言葉を聞けば、誰でもぞっとします。

殺人行為、邪悪なイデオロギー、または毒性混合物など、毒という言葉の意味に心地よい感情はありません。

けれども、今回はアフリカのハゲワシに良いニュースをもたらす前向きな意味のある言葉として使うことができるのです。

残念なことに毒薬の使用がアフリカでの野生生物犯罪に火をつけており、今こそ行動を起こす時です。アフリカ連合、バードライフ、その他のパートナーによる新戦略のお蔭で、アフリカ各国の政府はハゲワシの毒殺を阻止する活動を開始します。ハゲワシと彼らを救うためのバードライフのキャンペーンは、各国の大臣から手厚い支援を得ることとなりました。

アフリカは野生生物犯罪とその違法な売買に対処する度合いを高めました。例えば今年初めにケニヤで行われた、非常に象徴的だった違法に採取された象牙の焼却や、増大する密猟の懸念(主としてゾウとサイの取引)が先頃のアフリカ各国政府による主な約束に導きました。

先週、彼らは国際公約を呼び掛けてさらに一歩前進しました。その内容には、ケニアのナイロビで開催される国連環境会議(UNEA)において、野生生物犯罪と売買に取り組むための関連政策の法令を整えることが含まれています。

「もし何の対策も取らなければ、アフリカの人々の健康が脅かされることになるのは明白です。」アフリカ連合の地域経済農業課のH.E. Rhoda Peace Tumusiimeは言いました。

バードライフは、ハゲワシの苦境とそれがアフリカにとって何を意味するのかを理解してもらうための活動に尽力しています。その結果、各国政府の認識は大いに高まってきています。しかし、国際的な政策という点では、1頭の毒殺されたゾウの死骸によって、絶滅の危機にあるハゲワシを何百話も殺してしまうことは、まだ完全には認識されていません。

「私たちは、人が生きる上で、野生動物が非常に大切な役割を果たす存在だということを忘れてしまいがちです。だからといって、想像力や心を欠いてはなりません。」とUNEPのNeville Ashは言いました。

バードライフは各国政府に対して生態系や、人の健康、アフリカの経済のためにハゲワシ保護の行動を取ることを求めます。これが今回バードライフのチームがUNEAに向かった理由の一つです。

(中略)

ハゲワシは毒殺され、迫害されている

最後のアフリカのハゲワシ: 自然および人への影響 資料提供: ©BirdLife International

最後のアフリカのハゲワシ: 自然および人への影響
資料提供: ©BirdLife International

2012年から2014年の間に、アフリカの7カ国でハゲワシの毒殺が起こった11件の密猟事件が記録されました。これらの事件で155頭のゾウと2,044羽のハゲワシが殺されました。2013年、ナミビアでは、密猟で毒殺されたたった1頭のゾウの死骸によって、これを食べた500羽ものハゲワシが死んでいるのが発見されました。

「毒薬により多数のハゲワシが殺されており、そのうちの何割かはゾウの密猟に関係しています。このような犯罪に取り組むためには政府の支援と横断的なアプローチが不可欠です。」とUNEA(国連環境会議)の席でIUCN(国際自然保護連合)のハゲワシ専門家グループのDarcy Ogadaは言いました。

心配なのは、サハラ砂漠以南のアフリカ地域で毒を使用したゾウとサイの殺害の証拠が増加していることです。これは大型哺乳動物への脅威の増大ですが、同時に絶滅危惧種のハゲワシにとっても大惨事なのです。

(以下省略)

 

報告者: Shaun Harrell

 

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