数百か所の自然の重要サイトが破壊される恐れがある

バードライフの新報告によれば、350か所以上の自然にとっての重要サイトが永久に失われる恐れがあります。

‘鳥を指標とする重要生息環境(IBA)’は、現在世界中で1,200か所以上が指定されている世界の野鳥や他の自然の保護にとって国際的に重要な場所です。IBAは自然保護にとって重要なサイトの最大で最も総合的な国際ネットワークです。現在‘危機にあるIBA’として知られているその中の356か所が、失われる危険が切迫しているとして122の国と地域で特定されました。そのおよそ半数は法的に保全されており、それは保護地域の管理効率の改善の重要性を強調しています。

「‘危機にあるIBA’プロジェクトは政府、開発局、国際環境・自然保護会議、企業および市民社会がこれらの国際的に重要なサイトのこれ以上の損傷や喪失を防ぐための行動をとるために不可欠な焦点を提供します。」とバードライフの科学・政策・情報担当ディレクターのメラニー・ヒースは言いました。

「私たちは共同でこれらの脅威を緩和するよう活動し、環境保全が開発の最初期の段階で必ず実施され、同時にこれらのサイトの管理も強化されるように法律や政策の実施が強化されねばなりません。」

‘危機にあるIBA’の一つ、マレー・サンセット国立公園で見られる絶滅危惧種クリビタイエミュームシクイ 写真提供:Tony Chittenden

‘危機にあるIBA’の一つ、マレー・サンセット国立公園で見られる絶滅危惧種クリビタイエミュームシクイ
写真提供:Tony Chittenden

‘危機にあるIBA’の例には、産業規模の大農園、水力発電ダムの建設、密猟により脅威を受けるサントメ島の低地森林や、多くの世界的に危惧される海鳥や海生哺乳類の重要な採食場所であるオーストラリアとニュージーランドの間にあるタスマニア海などが含まれます。残念ながら、プラスチック破片の摂取が世界のどこよりもこのサイトでは高いと推測されています。

オーストラリアのシドニーで開催されているIUCN(国際自然保護連合)世界公園会議で発表された新報告書‘鳥を指標とする重要生息環境(IBA): 自然を保護し、人々に利する世界のネットワーク’では過去40年に亘るIBAプログラム活動の状況を詳述しています。保護活動を優先サイトに向けることを促し、多くのサイトを公式の保護区に指定するよう奨励し、鳥以外の分類群にも同様のアプローチを取るようにすることにより、IBAは非常に影響力があることを証明しました。

「バードライフによる40年間のIBA活動は種の保護を支えるための優れた分析です。12,000ヶ所のIBAは鳥や他の動植物を保護するための重要サイトの世界最大のネットワークです。」とオーストラリア政府の絶滅危惧種コミッショナーのグレゴリー・アンドリュースは言いました。

‘危機にあるIBA’は世界的に重要な56以上の湿地とも重なっています。これらのサイトに対する主な脅威は不適切な水の管理、レクリエーション、農業です。それでもこれらの地域は無料の水処理と洪水からの防御を提供し、周辺住民の生計手段を支えています。

1970年代の後半にIBAプログラムが開始されて以来、バードライフは世界120のパートナーを通じて事実上世界中の国と地域の陸と海でのサイト保全に関してこの影響力の大きいアプローチを適用して来ました。IBAプログラムの鳥と生物多様性保全に対する大きな貢献に加え、IBAに認定されたことによる直接の結果として数百もの保護区が指定されました。IBAはまた生息地喪失、生態系の劣化、持続可能な資源の利用、気候変動などの様々な環境問題に対する対応を進展させる上で、少なからぬ妥当性があるのです。

IBAbooklet

報告者:マーチン・フォーリー

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