環境大臣がシエラ・デ・バオルコIBAの開発を承認: ドミニカ共和国
ドミニカ共和国のIBA(重要生息環境)の一つであるシエラ・デ・バオルコが、主として木炭燃焼と不法な農作業が原因で、先頃‘危機にあるIBA’として特定されました。それに加えて、2013年7月16日にはロマ・チャルコ・アスール生物学的保護地域として公式に保全されていた北側の丘陵地の乾燥森林帯が保護地域として引き続き‘保全’されながらも、農村集落への道を作るための開墾が始まりました。この破壊行為に関与しているドミニカ農業協会は環境大臣(バウティスタ・ロハス・ゴメス博士)が自身で署名したこの活動の許可証を示しました。
このプロジェクトはエンリキリョ潟湖IBAの水位上昇の影響を受けた農家に対する代替策なのでしょう。しかし、この地域は非常に乾燥しており、灌漑の設備もなく、生産的な農場にするのは困難です。およそ105ヘクタールが直ちに破壊されることになっています。
影響を受ける地域はドミニカの南東部にのみ生息する絶滅危惧IA類のリコール・イグアナCyclura ricordii に残された生息地の最大部分を含みます。またロマ・チャルコ・アスールの丘陵地は、ヒスパニオラ島の固有種で分布が非常に限られている絶滅危惧IB類のクリムネリスカッコウの生息地でもあります。
ロマ・チャルコ・アスール生物学的保護地域はユネスコで批准されているハラグア・バオルコ・エンリクィリョ生物学的保護地域の一部でもあります。自然保護にとってのこの地域の重要性は2009年にここを保護地域として承認した前大統領のレオネル・フェルナンデスによっても認められていたのです。これはシエラ・デ・バオルコIBAの中にあるこの地域の保全のためにロビー活動を行ってきたグルポ・ハラグアにとって大きな成果だったのです。
グルポ・ハラグア(ドミニカのパートナー)と地元の協力者はブルドーザーを止めるためにメディアや他の環境団体に緊急警報で知らせています。ナショナル科学アカデミーとサント・ドミンゴ自治大学の環境委員会もこの戦いに加わり、異なるマスメディアへの経路を使っています。また環境保護のための国立法律家研究所も今回の件はドミニカの環境法64-00に違反し、またドミニカの全ての保護地区に対する非常に危険な前例になるとして、法的な行動の準備をしています。
グルポ・ハラグアは環境専門の法律事務所とも常にコンタクトを取り、森林開拓を止めようと試みています。残念ながら、およそ7.2ヘクタールの森が7月17日の早朝に既に破壊されました。グルポ・ハラグアのスタッフとデュベルゲからの地元の協力者は森に残っているものを守るために24時間体制で活動しています。