生物多様性重要地域(KBA)

KBA(Key Biodiversity Area:生物多様性重要地域) とは、鳥を指標に選んだ生物多様性の高い地域であるIBA(Important Bird and Biodiversity Area:重要生息環境)の考え方を鳥類以外の分類群に広げたものです。優先すべき地域が一目で分かるため、保護活動の計画立案に役立つ優れた資料として認められています。


IBAからの発展

IBA(Important Bird and Biodiversity Area:重要生息環境)とは、鳥を指標に選んだ生物多様性の高い地域のことで、1980年代以降、バードライフ・インターナショナルが世界で選定を進めてきました。

IBAは鳥の種や分布、生息地など、生息状況に関する世界共通の基準を用いて選定され、世界では13,000ヶ所以上、日本では166ヶ所がIBAに選定されています。優先すべき地域が一目で分かるため、保護活動の計画立案に役立つ優れた資料として認められています。また、IBAの目的は、ネットワーク化により保全や持続的な管理を促進させることにあり、一定期間ごとにモニタリングを行い、最新のデータを公開しています。

近年、海域でもマリーンIBAの選定を進めています。また、IBAの中でも特に生息環境の破壊や劣化の危惧が高い277ヶ所を「IBAs in Danger」として選定し、保全活動を優先して行っています。世界のIBAはDataZoneから検索できます。

KBAは、IBAの考え方を鳥類以外の分類群に広げたもので、すべてのIBAはKBAに含まれます。


KBAの活用

生物多様性条約会議(COP15)で採択された2020年以降のグローバル生物多様性枠組み(ポスト2020年GBF)における「30by30」や、生態系の保持、劣化した生息地の回復、種の絶滅防止等での利用が期待されています。

各KBAの詳細情報は世界生物多様性重要地域データベース(WDKBA)で検索できます。また、IUCNが発行するKBAガイドラインは、KBAの選定方法とその基準(KBAスタンダード)について述べています。


AZEとは

KBAのうち、絶滅危惧種または準絶滅危惧種の分布が世界で1ヶ所に限られる生息地は、特にAZE(Alliance for Zero Extinction:絶滅ゼロ同盟)サイトと呼ばれ、世界で853ヶ所が選定されています。バードライフは「絶滅ゼロ同盟」の参加団体です。