トヨタ環境活動助成プログラム(2016~2017): インドネシア フローレス島における持続的な森林資源の利用促進

 

インドネシア フローレス島の豊かな森林への伐採圧力を低減するため、地元の住民の生計向上を支援するプロジェクトで、バードライフ・インターナショナルとインドネシアのパートナーであるBurung Indonesiaが2016年1月から2017年6月にかけて実施しました。

インドネシアのフローレス島には、豊かな森林が残されており、生物多様性が非常に高い地域です。しかし、ジャワ島から離れた島嶼部で、教育やインフラなどの遅れもあり、貧困地域となっています。そのため、地域住民による農地の拡大のための伐採や資源の過剰収集など森林破壊の圧力が高まっています。本プロジェクトでは、住民が採集するキャンドルナッツを地元の協同組合が取りまとめて一定量を確保し、ジャワ島の企業等に直接出荷することで収入を増やし、生計向上を実現することを目的として活動しました。また、環境啓発活動を合わせて実施することで、森林破壊への圧力を低減させ、持続的な資源利用を促進することを目指しました。

 


キャンドルナッツ:インドネシアでは食用やヘアクリームに広く利用されています。

 

(1) 協同組合によるキャンドルナッツの取引

活動地であるフローレス島ブリリンでは、以前よりキャンドルナッツのアグロフォレストリーが行われていたものの、家庭ごとに個別にバイヤーに販売していたため、適正な価格で取引されず、人々の収入増につながっていませんでした。そこで協同組合が直接各農家からキャンドルナッツを買い取り、買い取ったキャンドルナッツをとりまとめて適正な価格で卸業者と取引する仕組みを構築しました。さらに、協同組合の取り組みを地域住民に告知し、会員の増加を図りました。これらの活動の結果、プロジェクト期間中、協同組合として目標の33トンを大幅に上回る57トンのキャンドルナッツをジャワ島の卸業者に出荷できたほか、会員数もプロジェクト開始時の120名から280名と、2倍以上に増やすことができました。また、協同組合が主導的に以前より高い価格でキャンドルナッツを農家から買い取るようになったことで、買取価格はプロジェクト以前と比べて30~40%程度上昇しました。これらの変化は、本プロジェクトが地域住民の生計改善につながる成果をもたらしたことを示唆しています。

 


地域住民とのワークショップの様子と初出荷の様子(右)

 

(2) 能力形成

協同組合によるキャンドルナッツの取引など、組織による円滑な事業運営能力を強化するため、組織の編成を見直したほか、運営管理や取引、買取などの部署ごとにマーケティングや取引などに関する研修を実施しました。その結果、協同組合によるキャンドルナッツの買取の実施や、買取価格決定の透明性、より明確な財務管理など、協同組合の様々な機能が定着・向上したことが確認できました。

また、各会員農家に対しても、キャンドルナッツの品質管理や仕分け作業に関する研修を実施しました。これにより、農家はどのような品質が求められているのかを理解し、基準を満たすキャンドルナッツの割合が向上しました。

 


キャンドルナッツの仕分けの研修の様子(左)と協同組合の会合の様子(右)

 

本プロジェクトでは、地域住民の収入の増加や、協同組合の組織力の向上など、住民の生計改善を促進し、森林伐採や農地開発の低減に直結する重要な成果を得ることができました。今後もBurung Indonesiaは当地での活動を継続し、本プロジェクトの成果が継続・向上するよう支援していく予定です。

 

キャンドルナッツの木

このプロジェクトは、トヨタ自動車株式会社の「トヨタ環境活動助成プログラム」の助成を受けて実施しました。