リコー:マレーシア マングローブの森の再生
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プロジェクト背景
マングローブはマレーシアの典型的な生態系のひとつであり、マレーシア半島西部沿岸域、サラワク州西部、サバ州北東部で見られます。マングローブは豊かな生態系をはぐくんでおり、漁業、養殖、農業やツーリズム等の恵みをもたらすだけでなく、津波や台風などの自然災害を緩和する役割も果たしています。
しかしながら、マレーシア沿岸域のマングローブは、開発によって著しく減少しており、1980年から2004年にかけ、全マングローブの14%に相当する69,000ヘクタールが消滅しています。現在残されているマングローブも、養殖、埋め立て, 汚染、違法伐採などで減少の危機にさらされています。
プロジェクトサイトのセランゴールは、マングローブが19,680ヘクタールと半島で3番目に規模が大きく、同国のマングローブの2.3%を占めています。この地域はビロードカワウソ、オナガザル、テングザル、イリエワニ、コハゲコウ、トビハゼ、水鳥、魚類その他多数の生き物の生息地であると同時に、沿岸域の生態系の保全や漁場の点でも重要なエリアとなっています。また、地域住民はマングローブ材や医療用のハーブなどの非木材品を収集し、漁業やエコツーリズム、レクリエーションの場としても利用しています。マングローブの生態系保全のみならず、地域住民がこの地で持続的な生計を営めるように、マングローブの減少を防ぎ、荒廃地を復元することが急がれています。
プロジェクト概要
本プロジェクトは、北央セランゴール沿岸域で、マングローブの植林と育成によるマングローブ林の復元と保全、野生生物の多様性を保全することを目的としています。また、教育活動を実施することで、地域住民とマングローブの重要性を共有し、生物多様性保全の理解を促進し、長期的には、地域住民による持続的なマングローブの保全活動を維持することを目標としています。
プロジェクト対象地: クアラ・セランゴール自然公園(クアラルンプールの北60kmに位置)
プロジェクト期間: 2011年より2022年まで(予定)
共同実施団体: Malaysia Nature Society
1940年に設立されたマレーシアで最も古く、大規模な環境NGO。バードライフのパートナー団体
プロジェクトエリア
プロジェクトの活動内容
- マングローブ植林の実施
- マングローブ林の役割と重要性についての研修の実施
- サイトの生物多様性のモニタリング
- 地域の小学校・中学校への環境教育キャンプの実施
マングローブの植林
植林前の説明の様子
また、この植林の様子は、多数のメディアで紹介されています。