環境省:東南アジアにおける湿地管理促進業務(2014年度)

業務の背景と目的

環境省は、1989年より東南アジア各国の湿地管理能力の向上及び各国の湿地のラムサール条約登録等を支援してきた。近年では、2011年の民主化以降開発が急速に進んでいるミャンマーを対象に業務を展開してきたところである。本業務は、ミャンマーのモインジー湿地をパイロットサイトとして、同湿地の経済的価値を評価し、湿地保全の重要性について啓発することで、条約湿地の追加登録をはじめとしてミャンマーにおけるラムサール条約の実施を促進し、もって同国の湿地及び湿地に依存する生物の保全に資することを目的とするものである。

調査と結果概要

モインジー湿地が有する主な生態系サービスについて、関係者へのヒアリングなどを通じて下記の6項目を選定し、経済的評価を行った。評価においては、「生態系サービスを評価するツールキットTESSA(Toolkit for Ecosystem Service Site-based Assessment)」を用い、既存のデータのほか、アンケート調査やグループインタビューなどによりデータを収集し、各項目の価値の経済的評価を行った。

1)水の利用(灌漑用水、家庭で使用される水)
2)洪水の防止
3)野生の収穫物(魚、家畜の水牛の餌、家禽のアヒルの餌、織布用ハス)
4)農作物(稲作)
5)レクリエーション(国内、海外からの訪問者が支払う費用)
6)炭素貯蔵による気候調整

 

調査結果は、普及啓発を目的とし、下記のパンフレットとリーフレットにまとめた。

 

TESSAの詳細についてはこちら


評価調査の説明


近隣住民へのアンケート調査


湿地を訪れた観光客へのアンケート調査


コミュニティでのグループインタビュー