ミゾゴイ会議(2010年10月25日)にて
ミゾゴイは、台湾やフィリピンなど、東アジアの温かい地域で冬を過ごし、春になると繁殖のために日本にやってくる渡り鳥です。しかし、越冬地や繁殖地でどのように生息しているのか、ミゾゴイの生態にはいまだ不明な点が多く、絶滅危惧種であるにもかかわらず、適切な保護策が行われていません。
ミゾゴイの保護を進めるためには、ミゾゴイが生息する越冬地、中継地、繁殖地、それぞれの行動を調査し、そこから得た情報を保護に有効に生かしていくことが必要です。さらに、それぞれの地域の保全関係者が協力し、国際的な観点から種の保全計画を協議することが求められています。
バードライフ・アジアは、2010年10月、日本、フィリピン、マレーシアの保全関係者が集い、「ミゾゴイ会議」を開催しました。越冬地・繁殖地の両地域から鳥類学者や保全活動家たちが一堂に会し、国際的な観点からミゾゴイの保全計画について協議する初の試みとなりました。
<台湾>
渡りの時期に見られる珍鳥。2007年の台湾全土での記録件数はわずか5件。ミゾゴイは集落の近くでも観察されているが、ミゾゴイの近似種であるズグロミソゴイ(Gorsachius melanolophus) が、現在台湾の低地林でよく見られる留鳥となってきている。ズグロミゾゴイは台北市街地の公園においても営巣が確認されている。
<中国本土と香港>
渡りの時期に見られる珍鳥である。香港では、バードウォッチングが盛んになった1960年代以降、5件しか記録されていない。しかし、目立たない習性のため、見過ごされている可能性がある。
<フィリピン>
数十年前に標本が収集されているため、ミゾゴイの主要な越冬地であると考えられるが、この種について最近の情報はない。見過ごされている可能性がある。
<インドネシア >
インドネシア東部でのいくつかの古い記録以外には、2007年に公表されたスマトラ島での記録が1件あるのみ。