トキやコウノトリのように、一度絶滅した野生種を復活させることには大変な困難を伴います。バードライフ・アジアは、いまだ謎の多いミゾゴイの生態を明らかにし、繁殖地の保全を進めるため、トヨタ自動車株式会社のご支援をいただき、ミゾゴイの生態調査と繁殖地の保全活動に取り組んでいます。

ミゾゴイってどんな鳥?

ミゾゴイ

全長49cm。ハシブトガラスよりやや小さい。ミミズ類を主食とし、そのほかに、ムカデ・カタツムリ・キセルガイ・カエル、サワガニ、モグラ科のヒミズ、クモ類や昆虫類の幼虫などを食べます。

ミゾゴイの生態

ミゾゴイは、東アジアの低平地の森林にすむ水鳥の一種で、台湾、中国南部、フィリピンなどに生息し、4月のはじめに日本に渡ってくる夏鳥です。日本では、琉球諸島、九州、本州、伊豆諸島でみられます。

繁殖は日本でしか確認されていません。平地から低山帯の谷や沢沿いの針葉樹、落葉樹、常緑樹、竹林が混在するうっそうとした林で、薄暗く湿っぽい環境を好み、谷や沢沿いの急斜面に生えるケヤキなど落葉樹の枝に巣を作ります。

直面する問題

薄暗い林にすむミゾゴイは人目につきにくいため、その存在はあまり知られていませんが、以前は珍しい鳥ではありませんでした。しかし、1980年代以降、生息数が激減し、現在の生息数は世界で1,000羽以下と推定され、IUCNのレッドデータブックでは絶滅危惧種に分類されています。日本での繁殖数も里山の減少とともに急速に減っており、このままでは絶滅は免れません。

減少の原因は、繁殖地である日本と越冬地である東アジアの森林減少や良い採食場所であった農地の開発・放棄などによる生息環境の悪化にあると考えられますが、十分な調査が行われておらず個体数や分布、渡りなど、詳しい生態がわからないため効果的な保護策が講じられていないのが現状です。

※写真は活動対象期間以外のものが含まれています。

<雛への給餌>

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バードライフ・インターナショナル東京