絶滅に「ノー」: オオケビタイオタテドリとその仲間14羽を救おう

残っている14羽のオオケビタイオタテドリのうちの1羽(♀)
写真提供: Ciro Albano

オオケビタイオタテドリ: 額に際立った剛毛があり尾は長く、腰は赤褐色で、音楽のような囀りをするこの鳥は、カエルや昆虫を餌とし、巣にはテニスボールの大きさのトンネルを作ることで知られています。1995年にブラジルの大西洋岸の森林で再発見されて以来、数回発見記録があります。何より恐ろしいのは、実はこの鳥の個体数は合計で15羽以下なのです。

鳥は種によっては絶滅するまで僅かな残された生息地に執着します。彼らが居なくなればもはや戻ってくることはありません。けれども、数個体でも生き残っていれば私たちには彼らを救うチャンスがあります。失敗が許されないチャンスです。

バードライフがオオケビタイオタテドリを含む絶滅危惧種を絶滅から守るために、‘絶滅ゼロ同盟(AZE)’プロジェクトの一環として新しい野心的な世界的イニシアティブを始めるのにはこのような理由があるのです。

この総額数百万米ドルのイニシアティブはバードライフ・インターナショナル、アメリカ鳥類保護協会、地球環境ファシリティー(GEF)および国連環境プログラムがチームを組み、ブラジル、チリおよびマダガスカルの政府と共に活動を行います。これら3カ国は地元コミュニティの支援を得てAZE対象種の生息地を復元し、守るためのプロジェクトが最初に行われる予定になっています。

AZEは世界的なイニシアティブで、絶滅危惧ⅠA類および同ⅠB類の種がたった1つの代替不能なサイトにだけ生息しているような地域を明らかにし、守ることにより、種の絶滅を防ぎます。

「絶滅危惧種のために最後に残された生息地を守ることは絶滅を防ぐために不可欠な戦略です。」と国連生物多様性条約(CBD)の事務局長Braulio Diasは言いました。このイニシアティブは彼と緊密に活動するのです。

バードライフは絶滅阻止活動に精通しています。小さな生息地を守ることが種全体を守ることなのです。

オオケビタイオタテドリの生息地はブラジルのバイア州とミナスジェライア州の境界にある渓谷に僅かに残る小さな湿気の多い森林です。毎日チェーンソーの騒がしい音や、森林火災のパチパチという音、牛糞の匂いが迫ってきています。伐採、農業、家畜放牧を目的とした森林破壊によって、これらの州の森林は荒廃してしまいました。この森林は固有種が多く生息する特殊な生息地タイプ(南米大西洋岸森林)で、南米にもともと存在していたうち10%がブラジルに残るだけです。10個体の鳥は森林の‘島’状のパッチで立ち往生しているのです。

15羽以下しか残っていない彼らを救うことは出来るのか?

出来ます。近年世界で最も成功した保護活動の一つとして、バードライフはセーシェルのカズン島という面積僅か0.3平方キロの孤島にだけ生き残っていたセーシェルヤブセンニュウを救ったのです。1959年には島にはわずか26羽しか残っていませんでした。島を買い取り、地元の人たちをプロジェクトに加えて、全く新しい地元の保護団体ネーチャー・セーシェルが設立され、今では彼らが絶滅の縁から救った数種の鳥を世話しています。去年、セーシェルヤブセンニュウの個体数は3000羽までに回復し、絶滅危惧種のリストから外れたのです!

ブラジル政府環境省のCarlos Alberto de Mattos Scaramuzzaは「Mata do Passarinho保護区を拡張し、地元の土地所有者と共同で活動することにより、この取り組みは絶滅危惧種オオケビタイオタテドリに必要な生息環境を確保できるでしょう。」と言いました。

このイニシアティブは‘絶滅ゼロ同盟(AZE): 危機に瀕する生物多様性が残る地球上で最も代替不可能なサイト(地区)の保全活動’と命名されており、ブラジル、チリ、マダガスカルで合計5ヶ所の実証サイトおよび世界中で10ヶ所の追加サイトがAZE対象種を保護することを目的としています。

「私たちはブラジル、チリ、マダガスカルの政府と共に活動できることを誇りに思います。」とバードライフの政策責任者Pepe Clarkeは言いました。

 

報告者: Shaun Hurrell

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