マーキーズ諸島とラパ島復元のための野心的なプロジェクトの手始めとして、島嶼復元管理者を任命

作業中の新島嶼復元管理者Tehani Withers

昨年のアクテオンおよびガンビア諸島の8つの島で行われた復元と保全活動は、バードライフが太平洋地域で行った最も野心的なプロジェクトでした。次のマーキーズ諸島とラパ島の18の島での復元活動は更に大きなチャレンジで、生物多様性にとっても重要です。このビジョンを共有するのはDavid and Lucile Packard基金です。

マーキーズ諸島は世界の鳥類保護にとって最も重要な群島の一つです。世界的に絶滅が危惧される海鳥3種(セグロシロハラミズナギドリ、ムナオビシロハラミズナギドリ、ノドジロアシナガウミツバメ)と少なくとも2種の陸鳥(マルケサスバト、マルケサスヒタキ)を含む22種の海鳥の生息地となっているのです。

ラパ島はフランス領ポリネシアのアウストラル諸島最東部にある島です。面積1~26ヘクタールの9つの小島が本島を囲んでいます。他のフランス領ポリネシアのどこでも見られるのとは異なり、ここでは11種の海鳥が集団で生息し、そのうちの7種は、シロハラアシナガウミツバメのこの地域に固有のグループを含むウミツバメとミズナギドリ類です。

これ程の規模の島の復元は一朝一夕にはできません。調査や計画には長い準備期間が必要で、特に地元コミュニティの同意と彼らの支援を得ることが最も重要です。フランス領ポリネシアのバードライフ・パートナーSOP Manuはこのコミュニティでの連絡役としての経験が深く、現在進行中のオオマルケサスヒタキとタヒチヒタキを絶滅から守る活動を含む、アクテオン諸島とガンビア島での種の回復プロジェクトなど、多くのプロジェクトでも地元の支援を得ています。こうした経緯から、この新プロジェクトの現場での重要な第一歩としてTehani Withersが島嶼復元管理者としてSOP Manuによって任命されました。

赴任した最初の3カ月間にTehaniはマルケス諸島の島の一つTahuata島に行きました。彼女はここでマルケスカワセミの個体数を調べ、鳥のモニタリングやGPSの使用法などの技術習得に時間を費やしました。また島に生息する鳥について地元の子供たちに話をしてコミュニティの関心を高めました。この旅は‘保護活動リーダーシップ・プログラム’による資金支援がありました。

2度目の6カ月間の期間に彼女はタヒチヒタキの研究のためにSOP Manuに戻りました。タヒチヒタキはこのエリアで最も絶滅が危惧される種です。また、彼女は本種の繁殖と採食行動、外来種の鳥との関係をモニターし、タヒチヒタキの生息する谷の一つの近くにあるコカミアリのコロニー調査を完了しました。

SOP Manuの島嶼復元管理者としてTehaniには様々な仕事がありますが、特に島の効果的なバイオセキュリティーのために、地元や国からの支援を得ることと外来の脊椎動物の駆除が重要です。彼女はマルケス諸島とラパ島のバイオセキュリティーと外来種駆除の計画の情報提供をするための野外遠征を引率する予定です。彼女はさらにアクテオン諸島とガンビア島でのバイオセキュリティー・システムの確実な採用と実施を行う予定です。これらの島を確実に外来種のいない状態に保つことが重要なのです。

TehaniとSOP Manuはコプラ(ココヤシを乾燥させたもの)労働者と商業船舶がアクテオン環礁に行く時にバイオセキュリティー対策を確実に守らせるために来月Turéiaに行く計画を立てています。これらの島はカソリック協会に所属し、SCAA(アクテオン市民農業協会)により管理されているので、コプラの収穫には今でもTenaniaが使用されています。そのために毎年4月から12月にかけて商業船舶で労働者がこれらの島に渡ります。今年はアクテオンとガンビアでの復元作業が始まって以来、彼らが島を目指す最初の年です。外来種(特にネズミとアリ)が島に再導入されることを避けるためにバイオセキュリティー対策がしっかりと行われることが重要です。

次の予定はマルケス諸島とラパ島でのプロジェクトの準備です。6月と7月にTehaniと彼女のSOP Manuの仲間はマルケス諸島に行き、本島を囲む無人島に生息する外来種の駆除について地元のコミュニティと会って話し合いをすることです。このプロジェクトを成功させるためには地元の人々の協力が不可欠なので、彼らの意見を収集することも重要な目的の一つです。ラパ島に行く船はめったに無いので(2ヶ月に1度)、この島の住民と対話するのにはより多くの困難があります。生物多様性と外来種の存在に関する科学者による野外調査は今年の後半に予定されています。

これは巨大なプロジェクトで、まだ先の長いものです。けれども、SOP Manu、バードライフおよびそのパートナー、そしてアイランド・コンサベーションはこれが成功すれば生物多様性と種の減少を反転させる大きな進歩となると確信しています。第1段階はDavid and Lucile Packard基金の手厚い支援によって実施することができました。

報告者: SOP Manu

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