変わった名前のために、この植物の危険性が伝わらない

外来種のホッテントットイチジク(和名 バクヤギク)別名アイスプラント
写真提供: Jacintha Iluch Valero/Flickr

ホッテントットイチジク(和名 バクヤギク)は美しいのと同時に有害な植物です。南アフリカの原産で、大きな黄色または薄いピンクの花により識別でき、アイスプラントまたはピッグフェース(豚の顔)というユニークな別名がついています。

この植物は地中海周辺を含むいくつかの国に医薬品用と装飾用および土壌浸食を防ぐ目的で移入されました。けれどもその大きな増殖力と種の生産力によって、短期間に広範囲に定着し、本種はポルトガルで侵略的外来種になりました。ホッテントットイチジクは現在地球上の100種の最悪な外来種の一つと考えられています。

ホッテントットイチジクと呼ばれる植物はどれほど破壊的なのでしょうか?手に負えないほど成長することにより本種は土地を完全に支配し、在来種が入り込む隙間がないほどに高密度な植物のじゅうたんを作るのです。本種に覆われた土地は化学組成が変わり、在来種の発芽、生存、成長および繁殖が影響を受けます。

ポルトガル沖のベルレンガ群島でのホッテントットイチジクの始まりは1950年代にまでさかのぼります。最初は漁民の家の近所に植えられました。けれどもその増殖力には際限がなく、この種にとって最適な環境条件やクマネズミ、ウサギ、キアシカモメなどによる種子散布によって、本種は短期間に島全体に広がりました。

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2014年以来ベルレンガ群島でホッテントットイチジクの駆除を行っているボランティア
写真提供: Toni Mullet

ホッテントットイチジクはペチコートスイセンなどの希少種やベルレンガハナカンザシのどの固有種の保護活動にとって重大な脅威です。これらの植物の成長速度は遅く、ホッテントットイチジクにまったく敵いません。さらにこの植物はオニミズギドリが営巣するための穴まで占拠してしまい、その密生した葉と根のためにミズナギドリは新たな穴を掘ることが出来なくなります。

国連のLIFEベルレンガ諸島プロジェクトの開始時から、SPEA(ポルトガルのバードライフ・パートナー)はそのパートナーと多くのボランティアの助けを借りて、特にフランドレス地方のキャンプ場があるカレイロ・ド・モステイロのスロープを中心にベルレンガ島からこの外来種を駆除する活動を行ってきました。手作業で行うこの駆除作業は等高線に沿って行われます。駆除されたホッテントットイチジクは巻き上げられ、じゅうたん状に広がった本種の上に置いて乾燥させるます。40人のボランティアと技術者が駆除作業を行っており、SPEAは2018年までにすべてのホッテントットイチジクの駆除を行い、最終的にはベルレンガ島のスロープが在来の植物で覆われることを目指しています。

報告者: Isabel Fagundes

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